八木重吉と漢詩 | 日々の雑記
八木重吉と漢詩

八木重吉と漢詩

昨日娘が急に「水を渡り水を渡り」と言い出して、「えっ何それ?」と聞いたら「八木重吉かなあ?巫女の唇が赤いって終わるの」とうわごとのような事を言って、風呂に入って行った。

なんだそれ?
検索して「水を渡り〜」は漢詩、「巫女の唇〜」はたしかに八木重吉だと判明した。なんでその二つが結びついた?

漢詩の方は高啓という人の作。

「尋胡隠君 こいんくんをたずぬ」 高啓 

渡水復渡水  水をわたりまた水をわたり
看花還看花  花をみ また花をみる
春風江上路  しゅんぷうこうじょうのみち
不覚到君家  おぼえずきみが家に至る

きれいな詩。口に出して唱えたくなる。


八木重吉の方は、詩集『秋の瞳』の中の「大和行」という詩だった。最後の行がこれ。

白衣の 神女は くちびるが 紅い
(びゃくえ) (みこ)


この「大和行」八木重吉にしては長い詩なので(16行)覚えていたそうだ。「素朴な琴」は4行、「花になりたい」は2行だものね。
久しぶりに八木重吉詩集を取り出して眺めていた。やっぱり好きだなあ。

name
email
url
comment