『根っこの こどもたち 目をさます』 | 日々の雑記
『根っこの こどもたち 目をさます』

『根っこの こどもたち 目をさます』

『根っこの こどもたち 目をさます』 ジビレ・フォン・オルファース/絵 ヘレン・ディーン・フィッシュ/文  いしい ももこ/訳・編  童話館出版 2003年

先月の青空古本市で見つけた絵本。
表紙も本編もとてもかわいい絵。冬の間地面の下で眠っていた根っこの子どもたちが目を覚まして春に備えて仕事をはじめる。準備が整い春になったら花の子となって外に出ていき、思い切り楽しい春夏を過ごして秋風が吹いてくるとまた地面の下に帰っていく。
自然の営みを擬人化した根っこの子どもたちの活動で描いている。この子どもたちがとにかく可愛くて可愛くて。季節のめぐりと小さな草花や虫たちに、やさしくあたたかなまなざしが向けられている。

とても気に入った絵本だったけど、英文の奥付でちょっと疑問に思った。
イラストは1906年、テキストが1930年。そしてオリジナルの出版は1906年ドイツ。あれ?文章は後からつけたの?
日本版奥付けの作者紹介を読んでようやくわかった。オリジナルではテキストもオルファース自身がつけているということ。それを英語に翻訳したのがフィッシュさん。その翻訳を石井桃子さんがさらに日本語に翻訳したということらしい。だから「訳・編」なのか。

では原書のドイツ語版からの日本語翻訳はないのかと思ったら、『ねっこぼっこ』という絵本が1982年に福武書店から、2005年に違う訳者で平凡社から出版されていた。
これはぜひそちらも読んでみたい!

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