『アンナ・コムネナ』と『緋色の皇女アンナ』 | 日々の雑記
『アンナ・コムネナ』と『緋色の皇女アンナ』

『アンナ・コムネナ』と『緋色の皇女アンナ』

『アンナ・コムネナ』のWeb上での連載が始まった頃、昔図書館で見かけた本を思い出した。それがトレーシー・バレット作『緋色の皇女アンナ』これアンナさまのことよね?当時もちょっと興味あったので、漫画の参考になるかと、まだ漫画の1巻刊行前に読んでみた。

あれ?これ史実と違うのでは?児童書のせいなのか、アンナがまだ若いままで話が終わってしまう。これでは年齢が合わないのでは?
最初修道院で囚人のような生活を送りながらも、誇り高く生きるアンナの姿がある。そしてアンナの回想で話が進み、かっての侍女と再会し今度は主従ではなく友人として関係を築き、父親の伝記を執筆するという流れ。このラストでもアンナはまだ年齢的に若い。うーん、児童書としてはこれでおさまりがいいのかなあ。侍女との再会はよかったけど。
アンナの回想での悪役は主に祖母と弟。弟は策謀家でしたたか。正攻法なアンナは負ける。母親に対する弟の言動は酷いもので、そりゃこの弟になら母も姉も叛旗を翻すわ。

しかし、それよりも何よりもこの作品でもっとも許せないのがニケフォロスの扱いだ。アンナよりだいぶ年上の、文人としては優秀らしいが覇気のないおっさんなのだ。アンナとの心の通い合いもない。いやいやアンナとニケフォロスってそんなに年離れてないでしょ?ラブラブなのは漫画の脚色なのかもしれないけど、少なくとも何人も子ども産んでるのでちゃんと普通の夫婦としての交流はあったでしょう。まあ、この夫だからこそ「ニケフォロス動かず」がしっくりくる、といえばいえるけど。

ということで、漫画の補完になるかと思ってたら期待はずれだった。参考にするなら専門書を読むべきだった。佐藤二葉さんがいろいろあげているけど、その中のどれかはいずれ読みたい…時間あればだけど。

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