『屋根裏部屋の秘密』
松谷みよ子/著 司 修/絵 偕成社 1988年
『ジャック・デロシュの日記』と同じく、孫世代が祖父の犯した戦争中の犯罪を知る話。
しかし中学生の孫に「731部隊」のことは、あまりにも凄惨で耐え難い。作中の関係者が語る事実は、大人のわたしが読んでも体が凍りつく。よくこれを児童書で書いたなと思う。
祖父はそんな人じゃない!そんなこと知りたくなかった、という気持ちはよく分かる。あまりにも重い荷物を背負わされてしまった。自分で償わず孫にその責務を負わせるのは、卑怯ではないかとさえ思う。だが祖父も長い間悩み苦しんだのだろう。悩んだ末に孫の世代に希望を託したいというのが、ギリギリの選択だったのだ。その気持ちにこたえて、どんなに辛くても、その過去の事実を認めて語り継ぐことが、次の世代の義務なのだと思う。
2作続けて重い作品だったが、読んでよかった。
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