漫画3作

『夏目友人帳』32
緑川ゆき/作 白泉社 2025年

もう32巻とは。デビュー作「あかく咲く声」を雑誌で読んでからもう25年。人とは少し違う能力を持った主人公、いつもどこか淋しげであたたかい作風は変わらない。2002年の「蛍火の杜へ」が今のところ1番好きだけど、2001〜2002年の連載「緋色の椅子」もよかった。ああいう異世界ファンタジーもの、もう一度描いてほしいけど、2003年からの「夏目友人帳」がヒットしてアニメ化もされ、すっかり代表作になってしまったので、こちらにかかりきりになってしまったようで。名前を全部返すまで終わらないのかと思ったけど、最近あまり返してないので、それだとまだまだ続きそう。


『家守綺譚』上下
梨木香歩/原作 近藤ようこ/漫画 新潮社 2005年

梨木香歩の原作は2004年。こちらももう20年も前なんだ。不思議なお話で、近藤ようこの絵がぴったり。近藤ようこは雑誌「通販生活」に掲載されていた作品が初めてだった。あっさりした絵で淡々と綴られているけど、作品からは人間の業のようなものが浮かび上がり心がざわついた。その後折口信夫の『死者の書』を漫画化していて、わたしはそれを読んで初めて『死者の書』が理解出来る気がした。この人の古典を元にした作品をもっと読みたいと思った。坂口安吾の『桜の森の満開の下』も漫画化しているそうで、ああ、似合いそうと思った。ちょうど「夏目友人帳」の次に読んだので、雰囲気が似ていて続けて不思議な世界に連れていかれた気分。


『3月のライオン』18
羽海野チカ/作 白泉社  2025年

こちらももう18巻。第1巻が2008年なので、17年かあ。最初の頃はヒリヒリしていて読むのが辛かったけど、いまは零が落ち着いてきてほっとしている。川本家や学校生活や棋士仲間との交流を通して、零が失った子ども時代を取り戻し、人として棋士として大きくなっていく。しかし棋士とは勝負師であり、鬼なんだなあとあらためて思う。島田さんとあかりさんの未来を予想したりしてたけど、いや、この人は無理だわ。
「俺は走り続ける  この世から投げだされる その最後の日まで」ってさ、もう。

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