劇団四季「ゴースト&レディ」大阪公演ライブ配信

劇団四季「ゴースト&レディ」大阪公演ライブ配信

劇団四季「ゴースト&レディ」大阪公演千秋楽
5/17 ライブ配信にて視聴

東京、名古屋、と配信で楽しんできたが、いよいよこの大阪公演で大千秋楽。
未見だった町島さん、芝さんに加え、もう一度見たかった萩原さんもいて見る前からワクワクしていた。

フロー        町島 智子
グレイ        萩原 隆匡
ジョン・ホール    芝 清道
デオン・ド・ボーモン  宮田 愛 
アレックス      寺元 健一郎
エイミー       柴本 優澄美
ウィリアム・ラッセル 内田 圭
ボブ         緒方 隆成

「男性アンサンブル」
飯村 和也  佐P 龍城  澁谷 智也  黒田 大夢  計倉 亘  権頭 雄太朗
政所 和行  河上 知輝  川村 英

「女性アンサンブル」
鳥原 ゆきみ  菩提 行  原田 真理  大岡 紋  矢鳴 優花  竹田 理央  
町 真理子  奥平 光紀  黒柳 安奈

フローの町島さん、東京公演ではエイミーで、配信で拝見した。声がとても綺麗だったけど、少しお顔が地味だったなあと失礼な感想を持っていた。今回のフロー、最初の声が意外に低くてびっくりした。エイミーの時と全然違う。可憐な令嬢といった谷原さんに比べるともう少し年長で落ち着いた普通の人っぽい。無鉄砲さでグレイを振り回すというより、堅実な行動力でグレイを巻き込んでいる感じ。萩原グレイとの並びが今までで1番しっくりくる。あの終盤の「心の羅針盤〜🎵」からの絶唱は、谷原さんはもうそれまでと明らかに違い、より高い次元、人外の域まで達していたものすごさがあったが、町島さんは意外と静かだった。それまでと地続きなフローのままでありながら、より強く迷いない信念を歌い上げていた。声を張り上げないのにあの高さあの強い声が出せるんだ。激情の谷原さん、揺るぎない強さの町島さん、どちらも素晴らしい。

グレイの萩原さん、最初、東京の配信時より少し力みが見えた。本来の飄々とした自由な感じに少し固さがあるように感じた。でもセリフの間や動きはやはりグレイそのもの、ストーリーが進むにつれ気にならなくなった。このグレイがもう一度見たかったのだ。今回演技が変わったところが、シャーロットの裏切りを知った後に虚しく高笑いするところ。以前の、何が何だが分からずオタオタしてるうちにデオンにやられるのも好きだったが、諦めたように自分からデオンの剣を受けていたように見えた今回も、どちらもいいな。

ジョン・ホールの芝さん。芝さんだからどんな怖い重厚なジョン・ホールかと思ったら、意外と表情がくるくる変わり、声の出し方もその場その場で変えている。一見軽くコミカルにさえ見えるのに、でも小物なのか大物なのか分からない、底知れない恐ろしさがある。

デオンの宮田さん。怜悧でさわったら切れそうに恐ろしい。岡村さんが優雅で色っぽく、少し女性らしさを感じさせるのに対して、宮田さんはあくまでも女性らしさを拒否する。「何だ、その目は!」「トレビアン!」、そして突然の膝蹴り、相変わらず決まってます。ダンスもキレキレ。「僕に相応しい最期」を望んだけど「悪くない」って強がりじゃないですよね。

アレックスとエイミー。アレックスは東京と同じ寺元さん、エイミーは初めての柴本さん。朴訥で誠実そうなアレックスと、本当におぼこいお嬢さまのエイミーは、今までで1番お似合いのカップルに見えた。2人が心から尊敬し追いかけよう守ろうと思っていたのが、同じ相手フローだった。その相手にどうしても手が届かないと悟った時、2人で手を取り合い、別の形でフローを支えようとなったのかと、一応納得できた。

今回も前2回と同じラッセルの内田さんは、流石に安定している。ボブは緒方さん、1番少年っぽい感じだった。ラストの老いた役作りは大変だったろう。

アンサンブルのみなさん、シャーロットはいつもの通りの町さん、元気でキュートでしたたかな彼女、酒場の激しいダンスの後にすぐ歌い出しても息がきれないってすごい。アンサンブルの中に名古屋の配信でエイミーだった竹田さんがいて、映るたびにエイミーだ!と楽しんでいた。そして「限りなき感謝を」のヴィクトリア女王役、たぶん前2回の人と違うけど、とても楽しそうに演じてた。この場面毎回素っ頓狂で、呆れ笑ってるうちに終わるのだけど、仮にも女王さまの場面をこんなふうに演出するなんて、誰のアイデアなんだろう。

カーテンコールが長すぎるのはいつものことだけど、大千秋楽なので今回は特に長かった。役者さんのためにも、もう少し短くしてあげたほうがいいと思うけど。
代表して萩原さんが挨拶してたけど、きっとまた再演があることを信じて待っている。今度は舞台を見に行けたらいいな。
映画「ブータン 山の教室」

映画「ブータン 山の教室」

映画「ブータン 山の教室」
パオ・チョニン・ドルジ/監督・脚本 2019年 ブータン ゾンカ語、英語

5/15 Ottoにて鑑賞

ブータンの首都ティンプーに暮らす教師ウゲンは、オーストラリアに行き歌手になることを夢見て、肝心の教師の仕事には身が入らない。そんな彼がティンプーから8日もかかる辺境のルナナ村に赴任することになる。都会育ちで外国に憧れている青年が、電気も携帯電話も通じない辺境の地で村人や子供達とふれあう様子を、美しいヒマラヤの自然を背景に描いていく。


とにかく自然が美しく子どもたちはかわいい。村人は誰もが穏やかで教師として来てくれたウゲンに感謝している。わざわざ隣村から子どもを連れてくる親もいる。ある生徒が将来の夢が教師で、なぜなら「教師は未来に触れることができるから」と言う。それは村長がいつも言っている言葉だった。教育により子どもたちの将来に、できるだけ多くの選択肢を与えてやりたい思いが込められている。おそらくそれまで真面目に考えていなかった教育の大切さに、ウゲンは初めて気付かされたのだと思う。当たり前のようにある教育の機会が、どれほど恵まれたものであるか、この辺境の地の人々がどれほど教育を渇望しているか。最初は「とても無理、今すぐ帰りたい」と言っていた彼が、帰りの準備が整うまで仕方なく教えているうちに、子ども達と過ごす楽しさを覚え、真剣に教育に取り組むようになっていく。もうこのままずっとここで教師をしていればいいのにと思うが、冬が来ると学校は閉鎖されウゲンは町に帰ることになる。元々冬が来るまでの任期だった。
「春になったらまた来てほしい」というみんなの希望には、応えることが出来ない。ずっと憧れていた自分の希望が、叶えられる知らせがきたから。しかし来た時と帰るときでは、明らかに彼の心は違っている。村の人々のように自然を敬い感謝する心を知り、自分の芯になるものを得られたような気がする。いつかまたこの地に帰れるかもしれないという、ほのかな希望も持っているように見える。


村までの旅が結構長くて驚いた。最初の1日はバスだけど、そこからは村からの出迎えの2人と荷運びのロバ3頭で徒歩で行く。しかも一泊は普通の民家、そのあとはずっとテント泊である。美しい声の鳥の鳴き声を聞きながら山道を登り、ぬかるみに足を取られ川を渡り、最後の峠で祈りと歌を捧げる。この旅程をずっと見せて行くことで、目的地がどれほど辺鄙なところなのか、どれほどウゲンがうんざりしているかがわかる。そしていよいよ村に近づくと、空が一気に開け雄大な山々が広がる。どこまでも広がる空と山。この美しい景色を見られただけで幸せな気持ちになる。
子どもたちの曇りのない目がいい。あんな目に見つめられ、全幅の信頼と期待を寄せられると、いい加減にあしらうわけにはいかないだろう。それに応えようとするウゲンも、本当は教師に向いているんじゃないかと思った。彼が教師として目覚める話にしてもよかったたけど、そうではなく彼には彼なりの夢があり、それを追いかけることを否定していないこともよかった。ちょっとあっけなかったけど、村に伝わる「ヤクに捧げる歌」で終わるのがよかった。
村長の「この国は幸せの国と呼ばれているけれど、未来を担うあなたのような人が、外国に出て行ってしまう国なんですね」と寂しそうに言っていたのが印象に残った。国が発展していく過程で新しく取り入れられるもの、失われていくもの、これはどの国にもある課題なのだろう。

映画鑑賞の折に入場者プレゼントとしてブータンのハーブティーをもらった。
映画「ツーリストファミリー」

映画「ツーリストファミリー」

映画「ツーリストファミリー」
アビシャン・ジーヴィント/監督・脚本  2025年 インド

5/13 OttOにて鑑賞

スリランカからインドに密入国した家族が、身分を偽りながらも次第に周囲の人々に溶け込んでいく様子を描く、ベタだけど笑いと涙のちょっといい人情噺。

実は冒頭のテロップで「本作はいかなる不法移民を許容も奨励もしない(正確には覚えていない)」という文言が出たので、ちょっとびっくりして何かモヤモヤしながら見てしまった。

映画自体は面白かった。近隣の人々との繋がりが深まる過程は微笑ましく、特に老夫婦との触れ合いや、嫌われ者の青年の告白には胸を打たれた。そういう一つ一つのエピソードはとてもいい。素直に感動した。そして不法移民を逮捕するために訪れた警官に対して、人々が家族を庇うやり方がとても自然だった。この家族との付き合いの中で自然に生まれたコミュニケーションのやり方(スリランカ・タミル語を会話の中で取り入れる)を使い、いつもと変わらぬ生活を見せて、ここではみんな仲良く平和に暮らしていることを伝える。決して不自然に力説しない。

それを受けて家族を見逃す巡査長の言葉がいい。

「人に慕われるのは金か権力があるから。でも金も権力もないのに慕われるのは人柄だ」

いい話だ。確かにいい話だ。ただここで映画冒頭のテロップを思い出し、複雑な気持ちになった。これ、つまり「こんないい人柄の移民なら歓迎します」ということではないのか?それ以外の移民は受け入れないのか?現在日本で移民排斥を訴える人の言い分がまさにこれなのだ。

それと悪役の警部が失態を犯したことで家族は救われたのだが、その失態がちょっと酷かった。警部の残酷さを際立たせるためだろうが、あの暴力場面と顛末はやりすぎだと思った。

またシリアスな場面とコミカルな場面が頻繁に入れ替わる、その緩急の付け方がこれは完全に好みの問題なのだが、わたしには少々うるさく感じられた。


本作のパンフレットはとても充実している。物語の背景のインド、スリランカの言語、民族、宗教、生活習慣など、大変勉強になった。その中でもマラヤーラム語とケーララ人の箇所では、映画「私たちが光と想うすべて」の主人公たちの話していたのがこの言葉だったことを思い出した。またこの映画では言葉が重要な意味を持ち物語を動かしている。それが先日の「湯徳章」で知った台湾の多言語に繋がり、映画がいろいろな興味を引き出してくれることがとても嬉しい。
エアコン試運転

エアコン試運転

ニュースなどで盛んに「夏本番の前にエアコンの試運転を!」と言ってるので、我が家でもそろそろやろうと思っていた。今週末から30°C越えの日もあるという予報なので、今日冷房の試運転をした。冬場暖房に使っていて、完全に使わなくなってから1ヶ月くらい経つ。ダストボックス、フィルターの掃除をしてから試運転。4台あるエアコン全て正常に作動した。これで今年の夏も無事に乗り切れますように。
芍薬とパンジー

芍薬とパンジー

今月の絵手紙の画材は「花」。メンバーそれぞれ花を持ち寄った。
わたしは玄関横の自治会の花壇のパンジーを持っていった。もうすぐ植え替え時期なので撤去が決まっていて、その前に好きな花をもらえるというので、パンジーの中でも1番好きなのを選んだ。我が家ではこの子を「1番のべっぴんさん」と呼んでいる。
別のメンバーが庭の芍薬をたくさん持ってきて、好きなのを持って帰っていいというので、ありがたくいただいた。

芍薬とパンジー、ひとつずつでも可愛いが、並べて見るとさらに可愛い。
映画「ナースコール

映画「ナースコール

映画「ナースコール」
ペトラ・フォルぺ/監督・脚本 2025年 スイス・ドイツ

5/9 OttOにて鑑賞

スイスのある州立病院のある1日。その日の遅番の看護師フロリアの出勤から退勤までの話。出勤直後から息つくひまもない彼女の仕事振りを追っていくので、見終わってからどっと疲れた。
これは世界中で深刻な問題なのだろうが、とにかく人手不足で看護師一人一人の負担が大変重い。その上この日は同僚の1人が病欠のため、26人の入院患者を2人の看護師で受け持つことになる。これを聞いただけで気が遠くなるが、フロリアは手際よくこなしていく。病室を巡回し適切な処置をして、患者の話には誠実に耳を傾け、無理な要求は笑顔で交わし、時には外線の電話にも出て対応し、ナースコールにも応える。手術室や検査室への送迎も何回もある。
次から次へと通常業務をこなす他に、緊急業務も飛び込んできてそれにも対応する。よく混乱しないなと感心するが、さすがに彼女もだんだん疲れが見えてきて、最初見せていた笑顔も見られなくなる。
わたしは患者として、また患者の家族としてしか病院業務を知らないけど、映画の初めからずっと彼女と一緒に看護師の仕事をこなしているような気になった。でも彼女の手早くテキパキこなす様子は、手際の悪いわたしとはテンポが合わず(実際に仕事してるわけじゃないのにオタオタしてしまった)それもあってとても疲れた。
そもそもこんな膨大な仕事を、ギリギリの人員でこなしていることが問題だ。映画の最後に看護師が足りないことがテロップで出るが、これを解消するには看護師の待遇改善しかないのではないか。看護師は体力が必要だし精神的にもタフでないと務まらない、とつくづく思った。
それなのに患者からは文句ばかり言われて報われない。それでも時々はホッとするふれあいの機会もある。またすぐ業務に戻らなけばならないので、ほんのひとときではあるが、それが息抜きになっているのだろう。フロリアのロッカーに患者からの手紙だろうか、感謝の言葉が貼り付けてあって、こういうちょっとしたことが、彼女の慰めと励みになっているんだなと思った。映画のラストの少しファンタジーっぽい画面は、フロリアに対するささやかなご褒美のような気がした。
映画「湯徳章ー私は誰なのかー」

映画「湯徳章ー私は誰なのかー」

映画「湯徳章ー私は誰なのかー」
黄銘正・連髴ィ/監督・プロデューサー・撮影 2024年 台湾

5/8 OttOにて鑑賞

湯徳章は「トゥン・テッチョン」と読む。映画の初めにわざわざテロップで「湯徳章(トゥン・テッチョン)は台湾語での読み方に統一しています」という断りがでた。ということは他の読み方もあるのか?とちょっと思った。

そして鑑賞後思ったことは、言語を含めてわたしは台湾のことを何も知らないのだということだった。特に台湾の歴史をきちんと知らないでいたことを痛感した。知らないながらわからないながらも、必死で映画に食らいついて、興奮し憤り安堵し感動した。ああ、きちんと勉強した後にもう一度見たい、と切実に思った。

台湾の台南市に湯徳章の名が冠せられた公園がある。かつてここには、日本統治時代は総督だった児玉源太郎の像が、日本の敗戦後には孫文の像が建っていたという。今はその孫文の後に建てられた湯徳章の胸像がある。通りにも彼の名前がついていたり、そんなに有名な人なのか、と思いきや、彼がどんな人だったかは知る人は少ないという。なぜ? 映画は彼の生涯を追っていく。

日本の植民地時代に、日本人の警官の父と台湾人の母との間に生まれた湯徳章は、最初父と同じく警官になるが、その後日本で弁護士資格を取り台湾で事務所を開く。日本の敗戦後、中国本土からの国民党政府が統治を担い、国民党政権と台湾民衆との対立から二二八事件が起こり、首謀者として逮捕され処刑された。処刑の場所が今彼の名前の公園になっている。

彼を知る手掛かりは、戸籍?とか当時の新聞や学校の通知表や官報(?)など、ほとんどが一次資料。当時は日本の植民地だったのでそれらも全て日本語だった。その資料の文字と、画面の横に出る資料の説明、画面の下方に出るナレーションの字幕、など情報がいっぱいで、それらをすべて読もうとすると、うっかりナレーション字幕を読み逃したりした。資料がなまじ日本語で読めるためつい読もうとしてしまう。集中するのが難しく、目をあちこち移動させるのに忙しくとても疲れた。新聞社の倉庫で1947年3月の新聞を見つけた時のスタッフの歓声が印象的だった。こうやって丹念に資料を見つけ出し読み解いていったのだなあ。映画関係者の仕事ぶりには頭が下がる。
彼を直接知る人の証言だが、これはかなり難航したよう。彼の息子さん(養子)をようやく見つけたけど、最初は口が重い。長い時間をかけて話してくれたが、この息子さんの様子といい、なぜ資料が残っていないのかは、映画を見ている間は気づかなかった。パンフレットやwebを検索してようやく、二二八事件とその後戒厳令が長く続いた台湾の歴史を知った。湯徳章の資料が残っていないこと、遺族の口が重いこと、その理由が台湾の歴史にあったことを知り、これは気軽に感想を述べるわけにはいかないと思った。またその歴史には日本の植民地政策が大きく関わっている。日本語で書かれた資料、流暢に日本語を話す彼の息子さんなど、日本の植民地政策がどれだけ強固になされたかがわかり、複雑な気持ちになる。

タイトルにある「私は誰なのか」は彼が終生問い続けたものだったようだ。彼の経歴を見ると何度も姓を変え、日本人の叔父と養子縁組もしていた(後に解消)。しかし逮捕され明らかに違法な酷い裁判で「日本人だ」と決めつけられた彼は、毅然と「自分は台湾人」と答える。冒頭のテロップにある通り、彼はやはり台湾人として生きたのだ。

終わり近くの言葉が印象的だった。うろ覚えだが

「樹木は歴史 建築は歴史 今この瞬間が歴史 わたしたちが歴史」

台湾の歴史をもっと勉強しなければと思う。
『ロッコク・キッチン』ーエッセイ集

『ロッコク・キッチン』ーエッセイ集

『ロッコク・キッチン』
川内有緒 ロッコク・キッチン・プロジェクト/編著  2024年

著者が2023年2月に福島県内のロッコク沿いに位置する市町村で暮らす人々に呼びかけ、食やキッチンにまつわるエッセイを募集した、そこから12編を収録したエッセイ集。

映画を見てちょっと不消化気味だったので、このエッセイ集を購入。なるほど、元々このエッセイがはじまりだったのか。映画で食について話してくれた人々のエッセイが載っていて、わたしが映画で見たかったことがここにあった。エッセイの他に監督の川内有緒の双葉町・大熊町滞在記や、共同監督三好大輔の撮影現場の話、写真家、プロデューサーの話もあって、映画の補完になってよかった。
映画「ロッコク・キッチン」

映画「ロッコク・キッチン」

映画「ロッコク・キッチン」
川内有緒+三好大輔/監督 2025年

4/27 OttOにて鑑賞

ロッコクとは東京から千葉・茨城・福島を経て、仙台市に至る国道6号線のこと。このロッコク沿いの一部の町は原発事故により長く帰還困難区域となっていた。通行制限されていたロッコクも2014年に一般車両、2022年に自転車や徒歩でも通行可能になる。この映画は2024年に監督2人がこのロッコクを何度も往復し、そこに暮らす人々を記録してきた映像。

「みんな、なに食べて、どう生きているんだろう?」というチラシの言葉から、もっといろいろな美味しそうな食べ物が出てくると期待していた、わたしはそういう能天気な観客だった。
考えてみれば原発事故からいまだ故郷に帰れない人々がいることは、ニュースで知っていたはずなのに、どこか他人事に感じていた。

遠くに見える原発の建物。その原発からの電気で生活していた首都圏に暮らしていながら、その地に暮らす人々に思いを巡らすことを怠っていたことを、申し訳ないと思う。

序盤「昨日何食べましたか?」という監督からの質問に答える人々。それぞれにドラマがあるがそこは割とあっさりしていて、その後は3人の人にフォーカスしていく。

1人目。インド出身のスワスティカ・ハルシュ・ジャジュさん。一般社団法人双葉観光地域研究協会に所属し双葉町の現在を知るツアーなどの企画・実施している。彼女のツアーでは建物の除染について説明があった。除染の方法は二つ。一つは水で洗浄、一つは解体。並んだ二つの建物のうち一方は除染され修復されている。それは歴史的な建物らしい。一方の普通の民家は避難寸前まで暮らしていたそのままの姿で残され、いずれ解体されるという。ここは辛かった。普通の人々が普通に暮らしていた家、それがまるで価値のないものかのように扱われるのか。
(解体については後の2人の話の中でも出てきた。何で俺の家が解体されるのか、と怒りと悔しさでいっぱいの声をあげる人。祖母の家が解体された跡地に本屋を開く青年)

2人目。東京在住の写真家中筋純さん。チェルノブイリも取材した彼は、原発事故後の町の変遷を記録し続けている。2023年、アートを通じた記憶の継承を目指す「おれたちの伝承館」(通称「おれ伝」)を開館する。「おれ伝」の作品の中には、震災後のあるスーパーの店内の様子が写されているもの、浪江町のメインストリートを2014年、2018年、2020年と同じ構図でストリートビュー風に写したものがあった。壊れたままの日常や除染と公費解体で建物が減っていっている様子が切ない。中でも迫力あったのが、東京方面から北海道を眺めた鳥瞰図。最初砂山かと思ったら、地勢図のようになっていた。そしてそこに赤い印で各所の原発が表されていた。福島、茨城、新潟、青森、北海道、日本にこんなに原発があるのかと改めて驚かされる。

3人目。大熊町で育ち小学6年で震災に遭い、避難して住居を転々とした後、11年ぶりに大熊町に帰ってきた武内優さん。彼は昼は板金加工の仕事で原発に通い、夜6時から9時まで解体された祖母の家の更地で本屋を開いている。「読書屋 息つぎ」という名の本屋は、ビニールハウスの骨組みに裸電球、材木の板を並べた本棚、という素朴というかそっけない作り。冬はとてつもなく寒そうだし、夏は虫が寄ってきそう。場所は暗くてわかりにくく、お客さん来るのか?と心配になる。でも朴訥な佇まいの武内さんの語る声と言葉は、何とも言えない味わいがある。詩人の雰囲気。この人が映画の冒頭のナレーションを担当していた。InstagramやTwitterでも発信している。

「おれ伝」には行けるかもしれないけど、この本屋にはとても行けない。車がないと無理だろうし。でも映画で知って以来SNSはチェックしている。

3人のそれぞれの言葉が心に残った。スワスティカさんが「インドも故郷、双葉町も故郷。住んでいるところが故郷だと思う」と言っていたが、昨今の外国人排斥の影響が彼女に及ばないことを願っている。
中筋さんは「日本に原発は要らないと思う」と答えていたけど、本当にそう思う。
武内さんが「町は家族」だと言っていたが、その家族、帰るべき家を突然奪われた理不尽さは、どこにぶつければいいのだろう。


被写体となった人々の存在感に圧倒された映画だった。
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昨年1月頃からLINEの通知音が鳴らなくなった。アイコンに数字も付かなくなった。検索すると結構よくある事例らしい。いろいろやってみたけど直らない。アプリの強制終了を続けていると起こりやすいという記事もあった。えっアプリって使い終わったら終了させるのが普通じゃないの?LINEだけでなくどのアプリも、使い終わったらすぐ終了させていたけど、あれがダメなの?通知が来ないといちいちアプリ開いて確認しなくちゃならない。普段はまあ気づいたら確認するようにしていたけど、緊急の連絡の時はちょっと困った。それでもまあそんな事態はそれほど頻繁にはないので、一応LINEのアプリだけはなるべく終了しないようにして(他のアプリは今まで通りすぐ終了させている)、出来るだけマメに確認するようにしていた。

ところが昨日から急にまた通知音が鳴るようになった。数字も付いてる。別に何もいじってないのに?考えられることは前日にiOSのアップデートがあったことくらい。でも元通りになったのでとりあえずホッとした。

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