『他者の靴を履く』をかけ足で読む

『他者の靴を履く』をかけ足で読む

『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』ブレイディみかこ・著 文春文庫 2024年

土曜日にzoom読書会があり、その課題書。今回はノンフィクション。うっかりエッセイと勘違いしていて、軽く読めるだろうと呑気にかまえていたら、とんでもなかった。娘も待っているのでなんとか今日中に読了しようと、超特急で2日で読んだ。もっと真面目に読むべき本なのにごめんなさい。
まずエンパシーという言葉をさまざまな文献を引用して説明していて、ここらへんで目はすべるは頭に何も入ってこないは、で正直「無理、もう無理!」と諦めようとした。
それでも自分の知っている言葉、人物、事柄が出てくると、ようやく少しずつ頭に入ってくるようになった。具体的にはサッチャーのあたりから。

まだまだ考えをまとめるまでいかないので、気になった部分だけ書き抜いてみる(そのままではなく、自分なりの言葉に置き換えてる部分あり)

「エンパシー」
他者の感情や経験などを理解する能力→能力なので身につけるもの 一つのスキル

「シンパシー」
共感、同情、支持、理解など、内側から湧いてくるもの

「題名の意味」
靴、とは自分や他者の人生であり、生活であり、環境であり、それによって生まれるユニークな個性や培われてきた考え方。他者の靴を履くとは、その人になったつもりで想像力を働かせてみること。

「アナーキック・エンパシー」
アナーキーとエンパシーは繋がっている。アナーキー(あらゆる支配への拒否)とセットでなければエンパシーは闇落ちする。

「自助」とアナキストたちが標榜する「自立」とは違う
自助→自分で自分のことは何とかする
自立→誰からも支配されない

「アナーキー」は暴力や無法状態と結びつけて考えられやすい。しかし、その本来の定義は、自由な個人たちが自由に協働し、常に現状を疑い、より良い状況に変える道を共に探していくことだ。(わたしもアナーキーのことはそう思っていたので、本来の意味を知って目からウロコだった)


その他、サッチャーのことを、シンパシーはあったがエンパシーのある人ではなかった、というところや、トランプはエンパシーの力学を上手く利用してきた、彼は他者からエンパシーを集めるのが得意、というところも印象に残った。
また坂口安吾の『堕落論』も出てきて懐かしかった。『堕落論』は一時期愛読書だった。

金子文子や伊藤野枝の名前と共に、エマ・ゴールドマンの名前があり、この人はミュージカル「ラグタイム」とその原作の早川文庫『ラグタイム』に登場していたことを思い出した。


とにかく自分の理解力が追いつかないなかで必死に読んだので、読み逃し読み違えてる部分も多いだろう。それでもこんな機会でもなければ絶対読まないし、途中で投げ出していただろうと思うと、この作品に出会えたことを感謝したい。土曜日の読書会までにもう少し自分の考えをまとめたい。

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