11/26 新宿シネマカリテにて鑑賞。
ショート・ターム12という、心に傷をもつティーンをケアする短期保護施設を舞台にした話。
本来なら無償の愛情を注がれるはずの親から虐待され、そんな親を恐れ憎みながらも、愛情を捨てきれない子どもたち。自分に自信が持てず、時に感情を爆発させ暴力や自傷に走る。この問題は本当に難しい。
子どもたちをケアするスタッフがやたらと出来た人間でないところがいい。失敗もする。同じような苦しみを知っているからこそ、彼らに寄り添い時には厳しく指導することができる反面、思い入れが強く過剰に反応し過ぎるところもあり、所長と対立したりする。主人公のケアスタッフは感情にまかせて暴走してしまうが、結果的には少女を救うことになる。そのことがまた彼女自身の傷を癒す。以前読んだ児童書の「チューリップ・タッチ」を思い出した。こちらに捨て身の覚悟がないと、これほどに傷つき深い闇をかかえた相手を救うことは出来ないのだ、とあの時は無力感に襲われたものだ。
この映画でも根本的な解決はなされていない。施設には次々と新しい子どもたちがやって来るだろう。本当はこんな施設が必要ない世の中にならなくてはいけない。でも映画のラストは明るい。少しずつでもより良い方へ、前を向いて進んでいってほしい。それを信じて祈りたい。
コメントを書く...
Comments