気になること

気になること

朝からずっと考えてきた。結論は出ないけれど書いてみる。

朝刊にノンフィクション作家の野村路子さんの「アウシュビッツとガザ」という文章が載っていた。内容は昨年11月に朝日新聞に載っていた記事と同じだったが(友人がコピーしてくれた)どうしても気になる部分があった。

野村さんはテレジン収容所で子どもたちが描き残した絵を紹介する「テレジン収容所の幼い画家たち展」を開く活動を長く続けている。
野村さんが活動を通じて交流しているアウシュビッツからの生還者のユダヤ人女性がいる。今回のガザ攻撃についての彼女とのやり取りで、イスラエルの行為の正当性を主張する彼女にショックを受けたという。「誰よりも戦争の恐ろしさ、子どもの命を奪う理不尽さを知る人なのに…」

そして
「ユダヤ人が不条理に差別され、命を奪われたホロコーストの重みは知っている。
生存者に、あのイスラエルという国が与えられた事実も。」

“生存者にイスラエルという国が与えられた”

この言葉に悩まされている。

与えられた?誰から?

現在イスラエルのある地域はそれまで誰のものだったのか?
その正確な経緯をわたしは知らない。
ただそれまではイギリスが統治していて、そのイギリスがユダヤ側とアラブ側両方に、それぞれの国家の独立を約束した(バルフォア宣言とフセイン・マクマホン協定)所謂二枚舌外交が紛争の元になったらしいことは何となくわかる。(サイクス・ピコ協定も含めて3枚舌外交とも)
昔オーストラリア人の友人が、中東問題の原因はイギリスにある、と言ってたけど、本当にそうだ。

イスラエルの建国は国連が承認した。ではアラブ国家はどうなったのか。ここらへんのことはもっと勉強しないと正確にはわからない。結局は植民地支配する宗主国の利益思惑があったのではないかと思うのだが。


野村さんの文章に戻ると、この文章からだと、ホロコーストの生存者に、お詫びとしてイスラエルという国が与えられたように読める。

岡真理さんの『ガザとは何か』で、ヨーロッパ各国が自分たちのホロコーストの罪をパレスチナに贖わせている、とあったが、たしかに言葉は悪いがパレスチナあげるからこれで許してね、と言ってるみたいだ。

野村さんの言葉尻を捉えて文句言ってるみたいで気がひけるけれど、わたしにもちょっと雑な認識(イスラエルはホロコーストの犠牲の上にユダヤ人がようやく得た安息の地)が、ずっとあって、最近ようやくそれに疑問を持ちはじめたのでこの言葉にひっかかったのだ。
子どもの頃から何回か中東戦争が起きた時、わたしはいつもイスラエルの方が正義のような気でいた。『アンネの日記』をはじめユダヤ人のホロコーストの情報に触れていたせいだろう。気の毒なユダヤ人、それをいじめるのは悪いやつ。PLOはテロ集団だと思っていた。パレスチナ難民のことは報道されていたはずなのに、わたしには見えていなかった。

わたしのこのもやもやを解決するには、腰を据えてしっかり勉強するしかないのだ。

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