A先生のこと

A先生のこと

参加している読書会を立ち上げたA先生が亡くなられたとの知らせがあった。ご高齢だったし、施設に入所されていると聞いていたので気にはなっていた。葬儀は家族葬で執り行い、弔問出席はご遠慮下さいとのことなので、会からはお花をお送りするだけにとどめた。落ち着いたらお墓参りに行こうと先輩メンバーから誘われている。

先生は読書会だけでなく、市の文化活動の中心的人物で、まだ図書館がなかった頃からの文庫活動、図書館設立準備委員、学校や施設での「おはなし(素語り)」活動、などに力を尽くされていた。児童文学作家として執筆活動もなさっていた。いくつかの作品は刊行されている。「おはなし」を語る先生の、方言混じりの柔らかな口調が今も耳に残っている。

先輩メンバーから初期の読書会のことを聞いた。彼女が参加した頃は、実際の作品を読むのではなく『児童文学論』を読み解いていたという。つまり勉強会だったらしい。作品を毎月読むようになったのは、それから何年か経ってからで(それが約30年前)、わたしが参加したのはそれから10年ほど後、そのときは先生も顔を出されていた。でも次第に先生の出席は間遠になり、感想のメモを寄越されるだけになり、それも無くなっていった。ご自身の執筆もあるし、他の活動も忙しかったのだろう。

ご自宅を解放して、読み聞かせや「おはなし」と音楽の発表会、読書会よりももっと研究会寄りの集まりなどを開催されていて、わたしも何度かお邪魔していた。読書会の大先輩方のそのまた恩師なので、わたしにとっては畏れ多く仰ぎ見る存在だった。ご本人はけっこう天然のふんわりした雰囲気の方で、新参のわたしにも優しく接して下さった。その優しい声でけっこう厳しい指摘も受け、無茶振りされて焦った記憶もある。

わたしが本と関わる生活を続けてこられたのも、先生がその環境を整えて下さったおかげです。お世話になりました。ありがとうございました。


庭のコウチョウゲが咲いてきた

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