『光のうつしえ』

『光のうつしえ』

『光のうつしえ』朽木祥 講談社 2013年

英訳版『Soul Lanterns』2021年

昨日の広島平和記念式典の石破首相の挨拶で正田篠枝さんの短歌が引用された。

この短歌は朽木祥『光のうつしえ』で初めて知った。

『光のうつしえ』は原爆投下から25年後の中学生たちが、当時のことを実際に経験した人たちから聞かされ、原爆について知っていく話。その中のエピソードの一つにあの短歌の話があった。
広島の子どもたちであっても、自分の親の世代から常に聞かされていたわけではない。むしろ25年たって初めて話す気になった方たちもいる。またこの時代は当事者の方たちが存命だったので直接話が聞けた。早すぎても遅すぎても聞けなかった。「黒川の女たち」の時も思ったけど、よく間に合ってくれたと思う。

当事者のその次の世代の子どもたちを通して描かれるので、読者である子どもたちにとってより身近に感じられるのではないだろうか。
当事者の声を直接聞き、それを今度は次の世代へ語っていかなくてはならない。そうやって語り継いでいくことが大切なのだ。
だからこの作品が英訳され、世界の子どもたちに届けられたことは本当によかった。そこからまた次の世代につながっていきますように、心から祈る。英語版に加えてドイツ語版も刊行されるという。もっともっと世界に広まりますように。

作品の中の短歌
「太き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨集まれり」

英訳版での短歌
ーThe bigger bones must be a teacher’s; small skulls gathered aroundー

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