『ゼロ時間へ』
アガサ・クリスティー/著 田村隆一/訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫 1976年
来月ミステリーチャンネルでBBCドラマ「ゼロ時間へ」が放映される。我が家では見られないけど、原作は昔読んだなあと懐かしくなり、無性に読みたくなり再読。
読んだのはもう50年くらい前ですっかり忘れている。覚えているのは印象的なタイトルと、たしか序盤に犯人が計画を練っている記述があったことくらいだ。だからかえってよかった。とてもおもしろかった。クリスティの作品で惹かれるのは人間の描き方で、この作品でも登場人物それぞれが興味深く、事件が起きなくてもおもしろく読める。やっぱりクリスティって上手いなあと思った。
今月の読書会が間近でそちらを読まなくてはならないのに、なぜか違うものを読んでしまったけど、でも楽しめたのでよしとしよう。
中3でクリスティと出会ってそれ以来読み続けほとんど全作読んだのに、いまだに時折読みたくなって読めばこんなに楽しめるなんて、クリスティってすごい。わたしはクリスティが好きなんだなとあらためて思う。
わたしがクリスティの作品で1番好きなのは、時期によって違うけど、普通小説の『春にして君を離れ』は一時期これこそクリスティの最高傑作と思っていた。もうひとつ『終わりなき夜に生まれつく』も大好きで、これも犯罪小説とはいえ、事件が起きるのは終盤だ。こういう作品が好きなのは、純粋なミステリ好きとは言えないのかもしれない。
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