映画「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」

映画「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」

映画「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」

アレックス・ギブニー/製作総指揮 アレクシス・ブルーム/監督 2024年 イスラエル・アメリカ

2/13 OttOにて鑑賞

わたしが求めていたものではなかった。
ネタニヤフの「汚職」についてのドキュメンタリーだとは明記してあるし知っていたので、勘違いしたのは自分である。だがこんなにも「パレスチナ不在」の映画だったとは。見た後はひどく疲れた。


最初から延々とまるでワイドショーか週刊誌のゴシップ記事を見せられているようで、うっかり寝てしまいそうだった。証言者たちのインタビューと、尋問中のネタニヤフと妻の傲慢で強圧的な態度で、彼らがいかに強欲で醜い権力者であるかを見せているのだろうけど、その内容が葉巻やワインや宝石の話なのだ。正直ウンザリした。いったい製作者たち、証言者たちはどんな立場なんだろう。特に選挙参謀だったという人は、ネタニヤフを裏切っているわけで、これはイスラエル政権内部の内輪揉め、権力闘争なのではないかと感じた。これは単なるネタニヤフに対するネガティブキャンペーンなのか?

ある人物への資金調達の便宜を図る見返りに、メディアを手に入れて自分に不利な情報を出させないようにするというところから、ようやく緊迫してきた。このメディアを使う手法は権力者がよく使う手だし、我が国でもそうだ。昨年見た「非常戒厳前夜」でもそうだった。

ネタニヤフが政権安定(自分の政治生命の延命)ために極右と連立を組んで、閣僚に迎えた二人が酷過ぎる。堂々と「パレスチナなんて存在しない」とか「西岸地区の入植をどんどん進める。石を投げてくる奴は撃て」とまで言ってる。

イスラエル国内でのネタニヤフ批判デモがあんなに大規模だったとは驚いた。そしてそんな中起きたのが2023年10月7日ハマスの攻撃だ。この時の実際の映像がかなりショッキングで、なるほどハマスがテロ組織だという認識があるのも無理はないと思った。ただそこからハマスを、パレスチナを非難するのではなく、ネタニヤフ非難になっていくのが意外だった。
ネタニヤフがハマスに資金供与をして「ネタニヤフがハマスを養った」とまで言われているとは。ネタニヤフはガザのハマスは勢力増大させ、西岸地区のファタハは弱小化させる方針を取っているそうだ。ハマスの脅威から国民を守るという名目で、いくらでもガザを攻撃出来る。それが狙いなら停戦なんて出来そうもない。

ハマスの攻撃の責任をネタニヤフに求め、人質の解放を迫る国民を見ていると、彼らに取って大切なのは自分たちの身内で、パレスチナのことは何も考えていないのだと感じた。唯一キブツの若い女性が「あの時仲間が90人以上殺された」「ガザでは虐殺が続いている」と双方に配慮した発言をしていた。彼女もネタニヤフを非難していた。

イスラエルという国家とその指導者が、自分たちの立場権力を保持する事が最優先で、パレスチナの事を何も考えていないという事がよくわかった。そして国民も大事なのは自分たちのことだけ。それはこの映画自体もそうで、あくまでもネタニヤフに対する批判に徹していたように感じた。パレスチナのことはネタニヤフ批判の道具でしかない。

「パレスチナ不在」わたしがパレスチナ寄りの考えだから余計にそう思うのかも知れないが、この事実に気分が悪くなり、疲れから早く寝てしまった。

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