手書き

手書き

映画「能登デモクラシー」を見て、滝井さんの発行する新聞の手書き文字に魅了された。なんて力強い字だろう。印刷のきれいに整った文字とは違う躍動感、この声を届けたいという強い意志が感じられる。ああ、手書きっていいなあとあらためて思った。
小学生の頃クラスで壁新聞作ったっけ。ネパール滞在時には、日本の祖父母に送るために子どもたちと「カトマンズ新聞」というものを、近況や漫画や連載など、紙面を工夫して作っていたなあ。手書きの文字は読みにくいし、元々字が下手なわたしは恥ずかしかったけど、今見るとそれぞれの個性が溢れた懐かしい思い出の品だ。

字が下手なのが悩みの種で、ワープロが普及した頃、これで下手な字を気にせず書けると喜んだものだった。
図書館で臨時職員として働いてたころ、児童書の紹介文を手書きで書くことを求められ、何で印刷にしないのかと不満だった。でも何回かやっているうちに、出来上がったリーフレットの担当者それぞれの個性ある字で彩られた味わい深さに、読むのが楽しくなっていった。なるほど手書きもいいものだなとその時思った。

ネパール滞在時に書いていた日記も当然手書きで、帰国後はきちんとワープロで清書しようと思っていた。結局やらないままになってしまったが、たまに読み返すと丁寧な字だったり乱暴な字だったり、それはそれでその時の気分や状況を想像できて、おもしろく読める。いつかは全部清書するつもりだったけど、もう今さらだし、これはこのままでもういいやと思っている。

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