とりあえず記録だけー読書
読んでも感想書いてない本がある。今さらかけないけど、とりあえず記録だけは残しておこう。
『その歌声は天にあふれる」ジャミラ・ガウィン/著 野の水生/訳 徳間書店 2005年
18世紀イギリス。一部の富裕層を除き、劣悪な環境に置かれた子どもたちの、悲惨で残酷な運命が容赦なく描かれ、気分が悪くなるほどだった。安易なハッピーエンドではなく、歴史の暗部をしっかり伝えていこうとする作者の誠実さを感じた。
『グッゲンハイムの謎』ロビン・スティーヴンス/著 シヴォーン・ダウド/原案 越前敏弥/訳 創元推理文庫 2025年
シヴォーン・ダウドの死後、著者がダウドの前作『ロンドン・アイの謎』の設定を引き継ぎ、続編として完成させた。言われなければダウド自身の作だと思うほど違和感がない。ダウドファンとしては嬉しい作品になった。
『ハティのはてしない空』カービー・ラーソン/著 杉田七重/訳 鈴木出版 2011年
16歳の少女が見知らぬ土地で経験のない農地開拓に挑む。条件をクリアすれば土地が自分のものになるという(ホームステッド法)ので、たった1人で頑張る姿に、思わず声援を送りたくなる。結果は苦いものだったが、人々との出会いで得たものは大きく、彼女のこれからの人生を切り開く糧となる。
『2月1日早朝、ミャンマー最後の戦争が始まった。』フレデリック・ドゥボミ/脚本 ラウ・クォンシン/作画 ナンミャケーカイン/翻訳
2021年2月の軍事クーデターにより独裁政治へ後戻りしたミャンマー。民主化を求めるミャンマーの民衆の抗議活動が始まる。絵の迫力がものすごい。
『夜の日記』ヴィーラ・ヒラナンダニ/著 山田文/訳 作品社 2024年
インドとパキスタンが独立した時、今まで住んでいた土地から宗教が違うために国境を越えた土地に追いやられた人がいたという。こんな事実があったことを初めて知った。まるで今のパレスチナと同じことが起こったのだ。自分ではどうすることもできない大きな力の前に、人々が否応なく巻き込まれてしまう。今も世界で起きている悲劇がここでも。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』上下 アンディ・ウィアー/著 小野田和子/訳 早川文庫 2026年
「ネタばれ禁止」がこのことだとしたら、それほど言うことかなあと思うけど、でも確かに知らずに読んだ方が楽しいかな。自分の置かれた状況を分析し推理していくさまはいかにも科学者らしくておもしろい。2人のコミュニケーションがずいぶんスムーズにいくし都合良すぎるけど、それだけ2人とも優秀だったし、特に1人は長い長い孤独の期間があったのだから、そりゃグイグイいくよね。最後の選択はそりゃそうするよね。ラストシーンにグッときた。映画もいつか見られたらいいな。
『子供たちの事件簿1〜3』仁木悦子/著 芸術出版社 2002年
『探偵三影潤全集1』仁木悦子/著 出版芸術社 2005年
『仁木悦子少年小説コレクション3』仁木悦子(大井三重子)/著 論創社 2013年
子供たちが危険な目に遭うのはちょっと嫌だったので、探偵の三影潤が活躍する話の方が好き。そして大井三重子名義の童話がたくさん載っている『少年小説コレクション3』が1番好き。この人は江戸川乱歩賞を受賞したため、世間的にはミステリー作家仁木悦子としての認知度が高まったけど、この人本来の資質はむしろ童話作家大井三重子にあると思う。本人も「童話の方が大事」とインタビューで言ってるし、乱歩賞受賞後もミステリーと並行して童話も描き続けていた。
『新版 水曜日のクルト』大井三重子/著 偕成社 2009年(初版は東都書房より1961年刊行 偕成社版初版は1976年)
大井三重子名義の本はこれ1冊しかないのは本当に惜しい。せめて『仁木悦子少年小説コレクション3』に収録してある童話をまとめて、「大井三恵子童話集」として出版してほしい。
『黒牢城』米澤穂信/著 角川文庫 2024年
わたしは昔から黒田官兵衛が好きなので、「村重お前なあ!」となる。そのせいで荒木村重については裏切り者で卑怯者というイメージしかなかったけど、序盤はずいぶんかっこよくて驚いた。でも話が進むにつれいろいろ噛み合わなくなってきて、彼の持つ出自へのコンプレックスも見えてきて、彼が追い詰められていくさまがかわいそうになってきた。それぞれの武将たちが書き分けられていて面白いけど、女性が少ない!というよりおだし様しかいない。そのおだし様と村重の対峙は見ごたえあり。これも映画をいつか見てみたい。
『本と鍵の季節』『栞と嘘の季節』米澤穂信/著 集英社 2018年 2022年
高校の図書委員の男子二人組の探偵話と思って借りて読んでみた。2人の距離が近すぎず、戯れあっているようで少し醒めた感じが、今風なのかな。わたしはもう少しわちゃわちゃしてる方が好きだけど。どうもちょっと暗いのだ。もう少し明るい方が好み。2人組だとどちらかが探偵役で頭のキレがよく、一方はちょっとドジっぽいのがよくあるパターンだけど、この2人はどちらも頭が切れる。そこは良い。
『BUTTER』柚木麻子/著 河出文庫 2026年
河出文庫からあらためて出版されたのを機に購入。以前から興味はあったがようやく読めた。なるほどおもしろい。食べ物の描写がものすごく上手い。そのせいでつい食べたくなってしまい、森永チョイスを買ってしまった。普段はマリーとムーンライトが我が家の定番常備菓子で、チョイスはたまに買うぐらいだったのに。娘は餅にバターつけて食べていた。恐るべし。
『筆録 日常対話 私と同性を愛する母と』黄惠偵/著 小島あつ子/訳
映画「日常対話」の監督の著作。映画の中で描かれ切れなかったことも詳しく書いてあり、映画の補完としてとても読み応えがあった。父親のこと妹のこと、母親の恋人たちとか、映画で描ききれなかったことがより詳しくわかる。
『車夫1〜3』いとうみく/著 小峰書店 2015年 2016年 2018年
人力車に初めて乗る客を通して、人力車の乗り心地と主人公の車夫の紹介になっていて、導入部はとても上手い。しかし主人公が車夫になった経緯が親が無責任すぎて腹が立つ。1巻は面白く読めたのだが、2、3巻になると淡白すぎるせいか少し物足りなく感じた。
『朔と新』いとうみく/著 講談社 2020年
作者は母親というものに何か含むところがあるのだろうか。『車夫』の母親もなんだかなあだったけど、こちらはそれ以上でちょっと読んでて気分悪かった。ブラインドマラソンの伴走者で『車夫』の主人公が出てきた時は驚いた。そういえば『車夫3』で伴走者と知り合ったのはこの話の構想があったからか。
『それはわたしが外国人だから?日本の入管で起こっていること』安井菜津紀/著 金井真紀/絵・文 ヘウレーカ 2024年(改訂版が2026年6月に刊行されたが、こちらは初版)
タイトル通り、日本の入管で起こっていることを4つの事例を挙げてわかりやすく説明している。金井さんの絵やルビもふってあり、子供にもわかるように工夫されている。
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン/著 小尾芙佐/訳 早川書房 2003年
自閉症の少年クリストファーの語りで全編進むので、少し戸惑うところがある。自閉症とは本に書いてあるので使っているが、今ならもっと違う言葉を使うのかもしれない。彼の心の動きを丁寧に追っているので、読んでると少し疲れてくる。しかしこれは彼ほどではなくても、自分を上手く表現できない幼い子や、気後れしてすぐに言葉が出ない大人など、誰にでも当てはまることなのではないかと思う。
『1945年のクリスマス』ベアテ・シロタ・ゴードン/著 柏書房 1995年
副題に『日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝』にあるように、彼女は憲法草案を書いた1人。残念ながら彼女が書いた草案はほとんどが削除されたそうだ。それが条文になっていれば、現在まで続く女性と子供の権利をめぐる戦いはこれほど厳しくなかっただろうに。
『天皇への敗北』國分功一郎/著 新潮選書 2026年
「立憲主義」と「民主主義」のことを説明してあって、なるほどと思った。「いかなる権力も制限される」という原理と「民衆が権力を作り出す」政治体制とが組み合わさっているのが立憲民主主義であるという。民主的に決めたからといって何でも認められるわけではない。
ここを読むと、今国会で次々成立している法案は、数を頼みに政府が押し切っているもので、彼らは「立憲民主主義」がわかってないか、わかっていて無視しているのだろう。とんでもない政府だと暗澹たる気持ちになる
『その歌声は天にあふれる」ジャミラ・ガウィン/著 野の水生/訳 徳間書店 2005年
18世紀イギリス。一部の富裕層を除き、劣悪な環境に置かれた子どもたちの、悲惨で残酷な運命が容赦なく描かれ、気分が悪くなるほどだった。安易なハッピーエンドではなく、歴史の暗部をしっかり伝えていこうとする作者の誠実さを感じた。
『グッゲンハイムの謎』ロビン・スティーヴンス/著 シヴォーン・ダウド/原案 越前敏弥/訳 創元推理文庫 2025年
シヴォーン・ダウドの死後、著者がダウドの前作『ロンドン・アイの謎』の設定を引き継ぎ、続編として完成させた。言われなければダウド自身の作だと思うほど違和感がない。ダウドファンとしては嬉しい作品になった。
『ハティのはてしない空』カービー・ラーソン/著 杉田七重/訳 鈴木出版 2011年
16歳の少女が見知らぬ土地で経験のない農地開拓に挑む。条件をクリアすれば土地が自分のものになるという(ホームステッド法)ので、たった1人で頑張る姿に、思わず声援を送りたくなる。結果は苦いものだったが、人々との出会いで得たものは大きく、彼女のこれからの人生を切り開く糧となる。
『2月1日早朝、ミャンマー最後の戦争が始まった。』フレデリック・ドゥボミ/脚本 ラウ・クォンシン/作画 ナンミャケーカイン/翻訳
2021年2月の軍事クーデターにより独裁政治へ後戻りしたミャンマー。民主化を求めるミャンマーの民衆の抗議活動が始まる。絵の迫力がものすごい。
『夜の日記』ヴィーラ・ヒラナンダニ/著 山田文/訳 作品社 2024年
インドとパキスタンが独立した時、今まで住んでいた土地から宗教が違うために国境を越えた土地に追いやられた人がいたという。こんな事実があったことを初めて知った。まるで今のパレスチナと同じことが起こったのだ。自分ではどうすることもできない大きな力の前に、人々が否応なく巻き込まれてしまう。今も世界で起きている悲劇がここでも。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』上下 アンディ・ウィアー/著 小野田和子/訳 早川文庫 2026年
「ネタばれ禁止」がこのことだとしたら、それほど言うことかなあと思うけど、でも確かに知らずに読んだ方が楽しいかな。自分の置かれた状況を分析し推理していくさまはいかにも科学者らしくておもしろい。2人のコミュニケーションがずいぶんスムーズにいくし都合良すぎるけど、それだけ2人とも優秀だったし、特に1人は長い長い孤独の期間があったのだから、そりゃグイグイいくよね。最後の選択はそりゃそうするよね。ラストシーンにグッときた。映画もいつか見られたらいいな。
『子供たちの事件簿1〜3』仁木悦子/著 芸術出版社 2002年
『探偵三影潤全集1』仁木悦子/著 出版芸術社 2005年
『仁木悦子少年小説コレクション3』仁木悦子(大井三重子)/著 論創社 2013年
子供たちが危険な目に遭うのはちょっと嫌だったので、探偵の三影潤が活躍する話の方が好き。そして大井三重子名義の童話がたくさん載っている『少年小説コレクション3』が1番好き。この人は江戸川乱歩賞を受賞したため、世間的にはミステリー作家仁木悦子としての認知度が高まったけど、この人本来の資質はむしろ童話作家大井三重子にあると思う。本人も「童話の方が大事」とインタビューで言ってるし、乱歩賞受賞後もミステリーと並行して童話も描き続けていた。
『新版 水曜日のクルト』大井三重子/著 偕成社 2009年(初版は東都書房より1961年刊行 偕成社版初版は1976年)
大井三重子名義の本はこれ1冊しかないのは本当に惜しい。せめて『仁木悦子少年小説コレクション3』に収録してある童話をまとめて、「大井三恵子童話集」として出版してほしい。
『黒牢城』米澤穂信/著 角川文庫 2024年
わたしは昔から黒田官兵衛が好きなので、「村重お前なあ!」となる。そのせいで荒木村重については裏切り者で卑怯者というイメージしかなかったけど、序盤はずいぶんかっこよくて驚いた。でも話が進むにつれいろいろ噛み合わなくなってきて、彼の持つ出自へのコンプレックスも見えてきて、彼が追い詰められていくさまがかわいそうになってきた。それぞれの武将たちが書き分けられていて面白いけど、女性が少ない!というよりおだし様しかいない。そのおだし様と村重の対峙は見ごたえあり。これも映画をいつか見てみたい。
『本と鍵の季節』『栞と嘘の季節』米澤穂信/著 集英社 2018年 2022年
高校の図書委員の男子二人組の探偵話と思って借りて読んでみた。2人の距離が近すぎず、戯れあっているようで少し醒めた感じが、今風なのかな。わたしはもう少しわちゃわちゃしてる方が好きだけど。どうもちょっと暗いのだ。もう少し明るい方が好み。2人組だとどちらかが探偵役で頭のキレがよく、一方はちょっとドジっぽいのがよくあるパターンだけど、この2人はどちらも頭が切れる。そこは良い。
『BUTTER』柚木麻子/著 河出文庫 2026年
河出文庫からあらためて出版されたのを機に購入。以前から興味はあったがようやく読めた。なるほどおもしろい。食べ物の描写がものすごく上手い。そのせいでつい食べたくなってしまい、森永チョイスを買ってしまった。普段はマリーとムーンライトが我が家の定番常備菓子で、チョイスはたまに買うぐらいだったのに。娘は餅にバターつけて食べていた。恐るべし。
『筆録 日常対話 私と同性を愛する母と』黄惠偵/著 小島あつ子/訳
映画「日常対話」の監督の著作。映画の中で描かれ切れなかったことも詳しく書いてあり、映画の補完としてとても読み応えがあった。父親のこと妹のこと、母親の恋人たちとか、映画で描ききれなかったことがより詳しくわかる。
『車夫1〜3』いとうみく/著 小峰書店 2015年 2016年 2018年
人力車に初めて乗る客を通して、人力車の乗り心地と主人公の車夫の紹介になっていて、導入部はとても上手い。しかし主人公が車夫になった経緯が親が無責任すぎて腹が立つ。1巻は面白く読めたのだが、2、3巻になると淡白すぎるせいか少し物足りなく感じた。
『朔と新』いとうみく/著 講談社 2020年
作者は母親というものに何か含むところがあるのだろうか。『車夫』の母親もなんだかなあだったけど、こちらはそれ以上でちょっと読んでて気分悪かった。ブラインドマラソンの伴走者で『車夫』の主人公が出てきた時は驚いた。そういえば『車夫3』で伴走者と知り合ったのはこの話の構想があったからか。
『それはわたしが外国人だから?日本の入管で起こっていること』安井菜津紀/著 金井真紀/絵・文 ヘウレーカ 2024年(改訂版が2026年6月に刊行されたが、こちらは初版)
タイトル通り、日本の入管で起こっていることを4つの事例を挙げてわかりやすく説明している。金井さんの絵やルビもふってあり、子供にもわかるように工夫されている。
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン/著 小尾芙佐/訳 早川書房 2003年
自閉症の少年クリストファーの語りで全編進むので、少し戸惑うところがある。自閉症とは本に書いてあるので使っているが、今ならもっと違う言葉を使うのかもしれない。彼の心の動きを丁寧に追っているので、読んでると少し疲れてくる。しかしこれは彼ほどではなくても、自分を上手く表現できない幼い子や、気後れしてすぐに言葉が出ない大人など、誰にでも当てはまることなのではないかと思う。
『1945年のクリスマス』ベアテ・シロタ・ゴードン/著 柏書房 1995年
副題に『日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝』にあるように、彼女は憲法草案を書いた1人。残念ながら彼女が書いた草案はほとんどが削除されたそうだ。それが条文になっていれば、現在まで続く女性と子供の権利をめぐる戦いはこれほど厳しくなかっただろうに。
『天皇への敗北』國分功一郎/著 新潮選書 2026年
「立憲主義」と「民主主義」のことを説明してあって、なるほどと思った。「いかなる権力も制限される」という原理と「民衆が権力を作り出す」政治体制とが組み合わさっているのが立憲民主主義であるという。民主的に決めたからといって何でも認められるわけではない。
ここを読むと、今国会で次々成立している法案は、数を頼みに政府が押し切っているもので、彼らは「立憲民主主義」がわかってないか、わかっていて無視しているのだろう。とんでもない政府だと暗澹たる気持ちになる
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