『コカチン 草原の姫、海原をゆく』
『コカチン 草原の姫、海原をゆく』 佐和みずえ/著 トミイマサコ/絵 静山社 2022年
モンゴル帝国皇帝フビライ・ハンの娘コカチンが、イル・ハン国の王に嫁ぐことになり、その18ヶ月の航海を描いた冒険ファンタジー。最近『天幕のジャードゥーガル』でモンゴルに興味を持っていたので読んでみた。
まず、この物語が史実を元にしていることに驚いた。著者のあとがきで、マルコ・ポーロを調べていてこの姫のことを知ったとある。なるほど確かにWEBでマルコ・ポーロを調べると、彼女のことが載っていた。コカチンはコケジンとも呼ばれ、コケジンはWikipediaにイル・ハン国8代君主ガザン・ハンに嫁いだとあり、マルコ・ポーロが彼女の旅の付き添いで一緒に旅をしたという。こんな史実があったことに驚いた。
旅の行程でさまざまな困難にあうけれど、めげずに立ち向かうコカチン。彼女は故郷モンゴルと祖先の人々を愛し敬っている。中でも彼女が幼い頃から憧れずっと尊敬し慕っているのが、チンギス・ハンの妃のクラン。おお、この人は天幕のジャードゥーガル』で知ったメルキト族のクランだよね!コカチンによると、1番愛された妃で、チンギスのどの遠征にも加わり、たくましく戦ったという。おてんばの彼女が尊敬するはずだ。
(しかし戦ったのか?と思ったけど、モンゴルの女性は夫の遠征に従ってともに戦うこともあったらしい。Wikipediaの「モンゴルのホラムズ・シャー朝征服」の項目で、ニーシャプール攻撃時に戦死した司令官の妻が、その後の攻撃で陥落したニーシャプールの住民を、夫の復讐のため殺戮したという記述があった。この虐殺の話、『天幕のジャードゥーガル』でシタラたちがモンゴルに連行されていく途中で聞かされていた)
クランはチンギスの第2妃だったし、ホラムズ・シャー遠征軍に同行していたというので(Wikipediaより)確かに1番愛されたと言えないこともない。『ジャードゥーガル』でまるで人身御供のように嫁いだ印象だったので、まさか第2妃という地位にいるとは思わなかった。大切にされていたのかな、ならよかったな。ダイル様、よかったね。
でもこの作品中のクランは遠征中に亡くなってそこに葬られているというのは、作者の創作なのかな。『ジャードゥーガル』ではチンギス亡き後、オゴタイにレヴィレート婚で引き取られたとあるので。
どうしても『天幕のジャードゥーガル』に引きずられて、ちょっと物足りなく思ってしまったけれど、史実と創作をうまく組み合わせて楽しい物語になっていた。
作品の紹介が新聞に載っていた
https://www.asahi.com/articles/ASQ6872HGQ62PTLC01F.html
モンゴル帝国皇帝フビライ・ハンの娘コカチンが、イル・ハン国の王に嫁ぐことになり、その18ヶ月の航海を描いた冒険ファンタジー。最近『天幕のジャードゥーガル』でモンゴルに興味を持っていたので読んでみた。
まず、この物語が史実を元にしていることに驚いた。著者のあとがきで、マルコ・ポーロを調べていてこの姫のことを知ったとある。なるほど確かにWEBでマルコ・ポーロを調べると、彼女のことが載っていた。コカチンはコケジンとも呼ばれ、コケジンはWikipediaにイル・ハン国8代君主ガザン・ハンに嫁いだとあり、マルコ・ポーロが彼女の旅の付き添いで一緒に旅をしたという。こんな史実があったことに驚いた。
旅の行程でさまざまな困難にあうけれど、めげずに立ち向かうコカチン。彼女は故郷モンゴルと祖先の人々を愛し敬っている。中でも彼女が幼い頃から憧れずっと尊敬し慕っているのが、チンギス・ハンの妃のクラン。おお、この人は天幕のジャードゥーガル』で知ったメルキト族のクランだよね!コカチンによると、1番愛された妃で、チンギスのどの遠征にも加わり、たくましく戦ったという。おてんばの彼女が尊敬するはずだ。
(しかし戦ったのか?と思ったけど、モンゴルの女性は夫の遠征に従ってともに戦うこともあったらしい。Wikipediaの「モンゴルのホラムズ・シャー朝征服」の項目で、ニーシャプール攻撃時に戦死した司令官の妻が、その後の攻撃で陥落したニーシャプールの住民を、夫の復讐のため殺戮したという記述があった。この虐殺の話、『天幕のジャードゥーガル』でシタラたちがモンゴルに連行されていく途中で聞かされていた)
クランはチンギスの第2妃だったし、ホラムズ・シャー遠征軍に同行していたというので(Wikipediaより)確かに1番愛されたと言えないこともない。『ジャードゥーガル』でまるで人身御供のように嫁いだ印象だったので、まさか第2妃という地位にいるとは思わなかった。大切にされていたのかな、ならよかったな。ダイル様、よかったね。
でもこの作品中のクランは遠征中に亡くなってそこに葬られているというのは、作者の創作なのかな。『ジャードゥーガル』ではチンギス亡き後、オゴタイにレヴィレート婚で引き取られたとあるので。
どうしても『天幕のジャードゥーガル』に引きずられて、ちょっと物足りなく思ってしまったけれど、史実と創作をうまく組み合わせて楽しい物語になっていた。
作品の紹介が新聞に載っていた
https://www.asahi.com/articles/ASQ6872HGQ62PTLC01F.html
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