日々の雑記
だあれが殺した?クック・ロビン

だあれが殺した?クック・ロビン

この言葉は萩尾望都の「ポーの一族」の中の「小鳥の巣」でエドガーが口ずさむ童謡で知った。繰り返し挿入されるこの歌詞、たまたま亡くなった少年の名前がロビンだったことからも、なんとも不穏な雰囲気を醸し出していた。これが童謡?マザーグースってわりとこういう怖い歌詞がある。

だあれが殺した?クック・ロビン
それはわたしとスズメがいった
わたしの弓と矢羽で
わたしが殺した クック・ロビンを

その言葉をまんまタイトルにしたイーデン・
フィルポッツの作品。こんな作品があったのも驚きながら、2種類の訳本があることも驚き。シャーリィ・ジャクスンの「処刑人」と「絞首人」のようにタイトルが違う。しかも著者名も。
もともとイギリスで出版された時のタイトル、著者名が「だれがダイアナ殺したの?」ハリントン・ヘクトン(フィルポッツの別名義)
その後(同年)アメリカで出版された時のタイトルが「だれがコマドリを殺したのか?」

イギリス版とアメリカ版ということでは、クリスチアナ・ブランドの「ジェミニー・クリケット事件」と同じだが、あちらはタイトルは同じで内容が違っていたけど、こちらは内容は同じ。しかしタイトルと著者名と翻訳者と出版社が違うと、違う本だと勘違いする人いないのかな?有名な作品なのでそんな人いないか?
音の糸

音の糸

堀江敏幸 小学館 2017年刊
素敵な装幀。音楽雑誌に連載されていた記事をまとめたもの。全般音楽には疎いので、ここで挙げられてる演奏家については知らない人が多い。でも読んでて楽しかった。
「世界を生み出す針圧」ではフィギュアスケートについて書かれており、おおおこんなふうにフィギュアスケートを表現するのかと新鮮だった。
「むずかしさの土台」ではモーツァルトの父親についての吉田秀和さんの言葉を紹介していたが、それにハッとした。父親は息子がむずかしい音楽を書こうとすると、もっとやさしくと諭しつづけた、という言葉。たしかにわたしの好きなウィーンミュージカル「モーツァルト!」でそういう場面があった。しかしわたしはその場面は、息子の才能を理解せず矯めてしまうダメな父親、と受け取っていたので驚いたのだ。わたしの感じ方が浅いのか演出のせいなのか、どちらかはわからないが、違った見方を教えられてよかった。
そういえば映画「アマデウス」でも、皇帝がモーツァルトに「音が多すぎる」というようなことを言っていた。こういうエピソードが実際にあったということだろうか。
シャーリィ・ジャクスン

シャーリィ・ジャクスン

「日時計」読了。これでシャーリィ・ジャクスンの作品はほとんど読んだことになる。
最初に読んだのは「ずっとお城で暮らしてる」だった。タイトルと表紙のイラストから、てっきりファンタジーだと思ってた(^^;)
今年に入り「くじ」をweb上で読んで衝撃を受け、俄然彼女に興味がわき図書館で借り、市内の図書館にない時は他館から取り寄せてもらい(ほとんどがそれ)読み続けた。

読んだ順に
「ずっとお城で暮らしてる」創元推理文庫
「たたり」創元推理文庫(以前は「山荘綺談」今は「丘の屋敷」とタイトルが変わっている)
「くじ」(短編集)ハヤカワ・ミステリ文庫
「処刑人」創元推理文庫(別の訳者で「絞首人」文遊社刊がある。原題からは「絞首人」の方が合ってると思う)
「なんでもない一日」(短編集)創元推理文庫
「鳥の巣」国書刊行会
「日時計」文遊社

やっぱり最初に読んだ「ずっとお城で暮らしてる」と有名な「くじ」「たたり」がおもしろかった。それと意外に「鳥の巣」「日時計」もおもしろい。こうしてみると長編の方が私の好みにあったみたいだ。(「処刑人」を除いて)
嫌な人ばかりの嫌な話が多いけど、短編の方がそれが強い。オチを最後まで書かないのが多い。それと人の話をちゃんと聞け!と思う場面がけっこうあった。これちゃんと聞いてたらその後の悲劇というか事件は防げたはず。
ホラーと謳っていてもそんなに怖くない。どよーんと暗くなくて、わりとあっけらかんとしてる。主人公幸せそうだし(「ずっとお城で暮らしてる」)。でも巻き込まれた方は悲惨だからやはり怖い?そういう怖い話をこの筆致で書くのがすごいし、やはり上手いんだろうと思う。
炎のタペストリー

炎のタペストリー

乾石智子 著 筑摩書房 2016年刊

乾石さんの作品は「オーリエラントの魔道士」シリーズが好き。それ以外だとこちらのテンションが下がるせいもあって、イマイチという印象。ちょっとラノベっぽく感じてしまう。先日読んだ「双頭の蜥蜴(サラマンダー)」もそうだった。でもこの本はそれよりは面白かった。少女がたたかう(本物の戦闘でも運命にでも)話は基本的に好きだから。
遠い唇

遠い唇

北村薫・著 講談社 2016年刊

以前ほど熱心に追いかけなくなったけど、やはり目にとまれば読みたくなる北村さん。
短編集だけど連作ではない。でも最後にあった「ビスケット」に懐かしい巫弓彦さん登場。読んでて思い出した。これ以前読んだ「探偵Xからの挑戦状!3」に収録されていた。内容は同じだけど「探偵X〜」の方はテレビ番組のバージョンなので(問題編、解決編に分かれるため)少し記述の順番が違う。北村さんのあとがきによると、こちらの方が小説としての最終形とのこと。
フラワーズ 5月号

フラワーズ 5月号

目当てはもちろん「ポーの一族」なんだけど、「7SEEDS」最終章突入!今回含め完結まで3回!で盛り上がる。くるみの出産シーンがリアルで自分の出産エピソードを思わず娘に語ってしまった(^^;) お蘭さんがね、ああそうだったのかと涙。これからも牡丹姐さんに甘えて下さい。そして要さん。そうか新巻ではなく彼か。見届けよう。
あぶない叔父さん

あぶない叔父さん

麻耶雄嵩/著 新潮社 2015年刊

久々の更新が麻耶とは…。表紙のシルエットは明らかに金田一耕助、頭掻きむしってフケを落とす動作もまんまだ。帯に「抱腹と脱力の問題作」とあるが、脱力はするけど抱腹はねぇ。そもそも麻耶が問題作以外書いたことあったっけ?
ちょっともやもやなんだよね。後味悪いのはいつも通りだけど、いつもはスッキリ後味悪いのに、モヤモヤ後味悪いのはなあ。なんか気持ち悪い。語り手の「俺」が一番気持ち悪い!
怪しい店

怪しい店

有栖川有栖/著 角川書店 2014年刊

やっぱり有栖は手堅くおもしろいな。
古書店の話は楽しかったし、何より人が死なないのがいい。理髪店の話もそう。
「ショーウィンドウを砕く」に出てきた「サイコパス診断テスト」は一時期ネットでも評判だったらしく、娘がいくつか教えてくれた。怖いよ〜。
7SEEDS 28巻

7SEEDS 28巻

田村由美/著 小学館2014年刊

この巻で「BASARA」を抜いたそうだ。すごいな。連載の途中から読み始め(コミックスでは4巻の終わり頃)ので、もう10年以上になるのか。そろそろクライマックスだけど、この佐渡の人々のエピソードは切ない。わたしだってあんな状況なら、幸せな幻覚を見る方を選ぶだろう。でも彼らが遺したもののおかげで、今を生きるみんなが救われる。無駄ではなかった。ありがとう。お掃除ロボットかわいいよ〜。
本誌では新巻が危ないけど、これは助かると信じたい。どうしても「BASARA」の揚羽を連想してしまうけど。
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