音の糸

音の糸

堀江敏幸 小学館 2017年刊
素敵な装幀。音楽雑誌に連載されていた記事をまとめたもの。全般音楽には疎いので、ここで挙げられてる演奏家については知らない人が多い。でも読んでて楽しかった。
「世界を生み出す針圧」ではフィギュアスケートについて書かれており、おおおこんなふうにフィギュアスケートを表現するのかと新鮮だった。
「むずかしさの土台」ではモーツァルトの父親についての吉田秀和さんの言葉を紹介していたが、それにハッとした。父親は息子がむずかしい音楽を書こうとすると、もっとやさしくと諭しつづけた、という言葉。たしかにわたしの好きなウィーンミュージカル「モーツァルト!」でそういう場面があった。しかしわたしはその場面は、息子の才能を理解せず矯めてしまうダメな父親、と受け取っていたので驚いたのだ。わたしの感じ方が浅いのか演出のせいなのか、どちらかはわからないが、違った見方を教えられてよかった。
そういえば映画「アマデウス」でも、皇帝がモーツァルトに「音が多すぎる」というようなことを言っていた。こういうエピソードが実際にあったということだろうか。

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