からすが池の魔女

からすが池の魔女

E.G.スピア / 著 掛川恭子 / 訳
岩波書店 1969年刊

これはまた地味で重い話だ。舞台はまだ独立前のアメリカ、コネチカット州。厳格なピューリタンたちの質素な暮らしは、カリブ海の島からやってきた主人公キットにはなじめない。家事など奴隷な仕事なのに、と不満なキットにはイライラさせられた。しかしそれは彼女の育ってきた環境のせいなので、仕方ないかなとだんだん思えるようになった。暮らしぶりはキットの伯母家族の方が好感が持てるのだか、考え方となるとキットに肩入れしたくなる。この世界ではキットは異物であり、異物はいつの世でもどこでも排除されようとする。彼らと宗教が違う(クェーカー教徒)ハンナはそれだけで魔女扱いだ。そのハンナと親しかったキットが魔女裁判にかけられる。自由を求めて移住してきた人々であったはずなのに、その自由な暮らしを守るためには自分たちもまた排他的な考えになっていかざるを得ない。なんたる皮肉。彼女が字を教えた少女プルーデンスによって、彼女が救われる場面は圧巻。
この時代のこと地域のことなどをもっと知りたくなった。児童書はやっぱり奥が深い。

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