カウントダウン・シティ | 日々の雑記
カウントダウン・シティ

カウントダウン・シティ

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳
早川書房 2014年刊
「地上最後の刑事」の続編。小惑星の地球衝突が予測された世界での地道な捜査を描いた前作では、設定はSFだけど内容はどこまでも地道な捜査を描いた警察小説という感じだった。今回主人公ヘンリーは警察を退職しているが、相変わらず真面目に頼まれ事を引き受けている。前回同様、これはこの設定がなくても通用する話だと思ったし、途中までは、逆にこの設定があるからこんな(アナログな)捜索方法にリアリティがあるのかなとまで思った。しかし前作より時が経った分終末感が増していて、社会の崩壊が進む様子にSF風味が強くなった。終末の風景の中で愚直なまでに突き進む主人公。捜査状況と周囲の状況、2つが平行して進んでいく様子はおもしろかった。この世界の中で彼はどうするのか、妹ニコのことなど、続きが非常に気になる。

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