シンデレラの罠 | 日々の雑記
シンデレラの罠

シンデレラの罠

セバスチアン・ジャプリゾ/著 望月芳郎/訳
東京創元社 創元推理文庫 1964年初版
新訳版が2012年に出たそうだが、図書館には旧訳版しかなかった。
有名なこの作品、気になりながらも未読だった。有栖川有栖の「ミステリ国の人々」で取り上げられていたので、この機会に読んでみた。
この作品の「私は殺人事件の探偵で証人で被害者で犯人である」という紹介文に興味をひかれないわけがない。どうなってるのか?そんなことが可能か?ところが裏表紙にある設定を読み、ああそれなら可能か、と納得した。同時にどこかで読んだような設定にちょっと興醒めしてしまった。いやたぶんこの作品の方が先で後から似たようなものが出てきて、わたしはそちらを読んだのだろう。しかしわたしの単純な予想など越えた展開に(そりゃそうだ)一気に読ませられた。最後の一文でヒロインの正体が分かるらしいが、わたしはうっかり読み飛ばして伏線を見逃した。後でその部分を読んで、なるほどと思ったが、新訳の解説ではどちらとも取れると書いてあるらしい。どうだろう?訳文がちょっと読みにくかったので、新訳でもう一度読んでみたい。

設定を読んだ時思い出したのは、昔読んだ漫画、一条ゆかりの「夢のあとさき」だった。すごくおもしろかった。もちろん違う話だけど、この作品にヒントを得たんじゃないかなと思う。恋愛要素もありサスペンスドラマにしてもよさそうな作品だった。

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