『青き竜の伝説』

『青き竜の伝説』

『青き竜の伝説』 久保田香里・作 戸部 淑・絵  岩崎書店 2005年

『駅鈴』『氷石』で気になった作者のデビュー作。
遠見という地方の村の少年あかると幼なじみの巫女の更羽。遠見を支配しようとやってきた倭の軍勢から村を守るため、2人は伝説の巫女の力を頼ろうと旅立つ。

古代ファンタジーの入門編という感じかな。とても好みの題材なのだけど、『駅鈴』『氷石』のようにどっしりした感じに比べあっさりしていて、ちょっと物足りなく感じた。いろいろな要素がいっぱい詰まっていて、どうしてもかけ足になってしまったようで、もったいないと思ってしまった。
この時代はまだ天皇ではなく「おおきみ」を長にした倭という「くに」が、周辺の地方を攻め勢力を拡大し、やがて大和朝廷となっていった時期だった。巫女や湖の精霊など古き神々が息づく地と、まつろわぬ地方の民を力で支配しようとする倭。その攻防は日本神話の成り立ちを表すものでもある。まっすぐな気性のあかる、一癖ある屈折した倭の皇子一鷹、倭の将軍や巫女など登場人物も魅力的なので、またこの題材でじっくり書いてほしい。

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