「朧の森に棲む鬼」2007年
「朧の森に棲む鬼」劇団⭐︎新感線 2007年
BS松竹東急で放映されたのを録画視聴。1幕と2幕を2日に分けて見た。
おもしろかった〜!
まずタイトルがいい。これだけでわくわくする。美しく凄惨な作風はタイトルも含めて木原敏江の『夢の碑』を思い起こさせる。作画木原敏江で漫画化しても似合いそう。
始まりは「マクベス」みたい。「リチャード三世」を元にしてるらしいけど、その他「大江山酒呑童子伝説」とか、色々な要素がいっぱい。1幕は登場人物が多くて名前と人関係と状況を追うのに忙しい。2幕はすごいスピードでどんどん進み1幕の伏線回収していく。1幕からアクションは激しかったけど、2幕はさらにスピードアップ。そして血飛沫、血反吐のオンパレード、終盤には雨の場面で舞台が本当に水浸し。もう息もつかせぬ圧巻の舞台。これ現場で見てたら否応なく観客もその世界に引きずり込まれ、ものすごい緊張感に疲労困憊するだろうな。これだけ舞台の醍醐味を体感させてくれるのだもの、劇団⭐︎新感線に熱狂的ファンが多いのもわかる。今はそんな体力ないけど、若かったら通いつめたかも。
そして当時の俳優陣最高!市川染五郎(現十代目松本幸四郎)の若さ、美貌、色気。さらに動きのキレの良さ。最初の頃は剣に振り回されているのがよくわかり、演技の細かさにも感心した。舌先三寸で人をたぶらかす悪党ぶりはたしかにリチャード三世。
安倍サダヲも若くて可愛いくて、殺陣でもこんなに動けるのかと驚いた。
古田新太は相変わらずの貫禄、存在感半端ない。好き。
女性陣もいい。オボロとの2役の3人、それぞれ好きな女優さん。
秋山菜津子。「SHIRO」で見た時から好きです。どこまでもついていきます。
高田聖子。いつも達者。でも彼女もとてもかっこいいので、あまりコミカルに振れすぎないでほしい(これは演出への文句)
真木よう子。いやあ、綺麗だ、見惚れました。このメンバーの中だとせりふや歌にやや難ありなのは仕方ない。
その他の俳優陣もみな個性的というよりクセ強くてインパクト大。みんなとにかくよく動く。走り回ってる。それに何役もやるのだから本当にお疲れさまです。
衣装も凝ってた。ライの位が上がるたび衣装が豪華になっていき、見てわかるのが楽しい。でも大量の血糊で汚れた衣装、洗ってまた使えるか心配になった。
俳優、衣装、舞台演出、これ今やるのは大変だろう思ったら、2024年には歌舞伎NEXTとして再演され、その記念でこの2007年版が放送された。たしかに今この作品やるなら歌舞伎に合うだろうと思う。
おもしろかったけどとても疲れたのも事実。役者もだけど見る方にもめちゃくちゃ体力いる。これ1日2回公演なんて出来たのかしら。
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