『ナイルのほとりの物語』 アクナトン関連

『ナイルのほとりの物語』 アクナトン関連

『ナイルのほとりの物語』全11巻 長岡良子・著 秋田書店ボニータコミックス 1993〜1998年

全11巻のうちアクナトンに関連した話は2巻、3巻、5〜7巻にある。

2巻 VOL.5「死者の書」
死の世界で目覚めた少年王ツゥトが、生前を思い出す形で話が進む。幼い時にアケト・アトンでアクナトン一家と暮らした輝かしい日々。アクナトンの死でアメン神官たちにかつがれテーベに戻り即位する。アトンは禁忌となり人々の記憶から消された。成長した彼はアトン神を復活させようとしてアメン神団に暗殺される。
彼ーツゥト・アンク・アメンがツタンカーメンであり、アトンという神を巡ってこんなことがあったのを初めて知った。

3巻VOL.9「エクソダス」
エクソダス=旧約聖書の出エジプト記。モーセがヘブライ人を連れてエジプトを脱出するまでの話を、アトン神(太陽神)に絡めて描いている。アトンとアクナトンについてモーセが知る場面で、「死者の書」で少し触れられていた顛末がわかった。多神教のエジプトにとって唯一神アトンを奉じ、愛と平等を説いたアクナトンは異端の王として忌避されアトンは封印された。いずれアメン神の祭司長にと期待されていながらアトンの教えに惹かれるモーセ。後世そのモーセの物語を聞く子どもの中にイエスがいる!ここからキリスト教に通じていくのか?

作者は「モーセの教え“法の下には何人も平等である”はナザレ人イエスに受け継がれ現在に生きています」と書いている。
しかし約束の地カナンが今のパレスチナ周辺だと思うと、なんだか複雑な気持ちになる。


5〜7巻VOL.13「黄金の地平」
ここでようやくアトンとアクナトンの話になる。主人公は「エクソダス」でモーセにアトンの護符を渡す老人アイザック。若き日の彼が友人ホレムヘブとカエムワセトと共に、夜明けの太陽に祈る少年アクナトンと出会う場面が美しい。アイザック自身の出自も交え、『アクナーテン』と同じように、アクナトンの宗教改革が崩れさるさまが描かれて痛ましい。

それまでの名前アメンホテプ(アメンは満足す)を、アトンを唯一の神とするため改名したのが
アクナトン=アクン・アトン=アトン神の栄光
(アク・エン・アトン=アトンを喜ばす者とも)

名前の意味がわかるのは楽しい。

ツタンカーメンが『アクナーテン』ではツタンカーテンだったのは、当時はアテン神を信仰し
ツゥト・アンク・アテンだったから。

『アクナーテン』の解説で吉村作治が「西欧におけるアクナーテン王の人気はすこぶる高い」と書いてあったが、やはりキリスト教に通じるものがあるからなのだろうか。アクナトンが報われたみたいで嬉しい。
アトン神とアクナトンについて初めて知ったのがこの作品だった。思い出深いとても好きな作品。

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