『絵で読む 広島の原爆』

『絵で読む 広島の原爆』

『絵で読む 広島の原爆』
那須正幹/文 西村繁男/絵 1995年 福音館書店

3歳で被爆した著者は『折り鶴の子どもたち』も書いている。その著者が、修学旅行生の事前学習に適した書籍を書いてほしいという話を受け、書かれた作品。個人の被爆体験でなく、市内全体の被曝状況、原爆の原理、開発や投下に至る歴史的経緯と被曝以後、それらを網羅して原爆の全体像を描くために、この絵本という形になった、とあとがきにある。
『ぼくらの地図旅行』という科学絵本で、以前那須さんと組んだ画家西村繁男さんの絵により、まる6年の歳月を経て完成した大変な労作。よくぞここまで書いて下さった、と感謝の気持ちでいっぱいになる。

綿密な取材で再現された戦前から戦後までの広島の町並み、地獄の業火のような真っ赤な炎、廃墟、瓦礫、そして徐々に復興していく町並み。驚いたのが、原爆そのものの開発からその爆弾の内部構造、原爆搭載機エノラ・ゲイの飛行記録、等々もしっかり描かれていたこと。本当に「原爆の全体像」が描かれていてずっしりした読みごたえ。すべての人に読んでほしい本。

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