日々の雑記
カウントダウン・シティ

カウントダウン・シティ

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳
早川書房 2014年刊
「地上最後の刑事」の続編。小惑星の地球衝突が予測された世界での地道な捜査を描いた前作では、設定はSFだけど内容はどこまでも地道な捜査を描いた警察小説という感じだった。今回主人公ヘンリーは警察を退職しているが、相変わらず真面目に頼まれ事を引き受けている。前回同様、これはこの設定がなくても通用する話だと思ったし、途中までは、逆にこの設定があるからこんな(アナログな)捜索方法にリアリティがあるのかなとまで思った。しかし前作より時が経った分終末感が増していて、社会の崩壊が進む様子にSF風味が強くなった。終末の風景の中で愚直なまでに突き進む主人公。捜査状況と周囲の状況、2つが平行して進んでいく様子はおもしろかった。この世界の中で彼はどうするのか、妹ニコのことなど、続きが非常に気になる。
ミステリ国の人々

ミステリ国の人々

有栖川有栖/著 日本経済新聞出版社 2017年刊
新聞連載をまとめたもの。ミステリ作品の登場人物を、主役や探偵役だけではなく脇役たちも取りあげていて、楽しく読めた。名前だけ知っているが未読の作品が多く、あれもこれも読みたくなる。ああ、時間が足りない…。
「大誘拐」の柳川とし子刀自、懐かしい〜。あれは映画も面白かった。
未読の作品たちをこの機会に読みたいと思った。しかし「ドグラマグラ」と「黒死館殺人事件」はやはり無理かなあ。
阿・吽 6巻

阿・吽 6巻

おかざき真里/著 小学館 2017年6月刊
冒頭が霊仙の毒殺場面なのでビビる。そういえば既刊で彼は悲劇的最期を遂げるとあったなあ。橘逸勢の最期についても言及してあり、歴史上の事実とはいえ、この若い彼らのその後を思うと辛い。逸勢については昔杉本苑子の「檀林皇后私譜」でも読んだ。もう一度読みたくなった。

どこまでも孤高の最澄、どこまでも広く深い空海。どちらも天才。求めるものは同じ。なのに立場が違う。最澄は「運がない」と言われる。それを「知っている」と答える最澄。
その後のことを思うとどうしても最澄に肩入れしてしまう。昔読んだ永井路子の『氷輪』、司馬遼太郎の『空海の風景』。それぞれ最澄と空海を描いた作品だが、『空海の風景』で「最澄は雑密を学んだ」という言葉に胸が痛んだ。

この巻で描かれるように、どんなに空海と一緒に学びたかったろう。だが「救ってくれ」と言う叫びに背を向けることは出来なかった。それが最澄。それが運命。
空海は本当に魅力的。一緒にいて楽しいだろう。最澄は何とかして支えたくなる。天才が側に居たら厄介だ。
7SEEDS  34巻

7SEEDS 34巻

田村由美/著 小学館 2017年6月刊
本誌で最終話は読んでいたが、コミックスでは次巻で完結。
表紙は要さんとくるみと流星。要さん顔が怖い。この巻のクライマックスはくるみの出産と、それを守る為の要さんの壮絶な行為。
ラストは花と嵐の再会だとずっと思っていたが、くるみの妊娠が分かってからは、くるみの出産とどちらかだろうと思っていた。
出産場面がリアルで自分の経験を思い出した。お蘭さんの涙が印象的。
鬼滅の刃

鬼滅の刃

吾峠呼世晴/著 週刊少年ジャンプ連載中
コミックスは現在6巻まで刊行(画像は1巻)
娘が毎週少年ジャンプを買っていて、わたしも読んでいたのだが、最近電子版を買うようになったので、娘のiPhoneからしか読めなくなった。コミックスで追いかけるからいいやと思っていたが、娘が「最近の『鬼滅』は凄いから、ぜひ読んで!」と言う。10話以上も読むのはしんどい(どうしても画面が小さいので)としぶっていたが、ネットの熱い評判に押されて読んでみた。
うわ〜うわ〜!!すごいよ〜!熱いよ〜!
煉獄さ〜ん!と絶叫しまくった。読んでよかったよう(泣)
連載最初から読んでいた身としては、ここまでアツくなるとは思わなかった。不思議なテンション、台詞遣いで一風変わった魅力があったが、一時は打ち切りか?と心配したこともあった。それを乗り切り回を追うごとに評判が高まっていった。登場人物(鬼も)増えそれぞれ個性あり、炭治郎の花札耳飾りの謎もあり、これからますます目が離せない。ああ〜でも煉獄さ〜ん(泣)
スノーピアサー

スノーピアサー

画像は公式サイトより
5/27 DVDで鑑賞
最初の設定でもう「おかしいだろ、それ」となる。だからそこに突っ込んでも無駄なんだけど、言いたくなるよ〜。一番驚いたのはソン・ガンホを監獄から出してやるところ。ガラガラ引き出しを開けたらそこに寝ているなんて!そ、そこ人間が入ってるの?
列車の中が人間社会の縮図になってるのは分かるので、SFと思わず寓話として楽しんだ。
クリス・エヴァンスが髭面で、爽やかなキャプテンアメリカと印象が違うが、これも精悍でかっこいい。ソン・ガンホ好きなんだけど、もうちょっと活躍して欲しかった。何しろ敵方の用心棒みたいな男が、ターミネーターばりに強くて不死身で目立ってたものだから。
しかし誰よりも目立ってたのは、我らがティルダ様。あの美貌のお方が瓶底メガネに出っ歯です。その入れ歯を外してみせるという意味のないこともなさいます。あっぱれでございます。
アメリカン・ハッスル

アメリカン・ハッスル

画像は公式サイトより
5/23 DVDで鑑賞
お話には共感できないけど、出演者の熱演に画面から目を離せなかった。役者の演技で見せる映画。全員凄いが、これだけのメンツを向こうに回して、若いジェニファー・ローレンスの怪演が光る。何しろ登場は一番遅いのにその場をかっさらい、物語をひっかきまわして爆進し、一番強烈な印象を残す。
みんな髪型がおかしくて見てるだけで笑いがこみ上げる。ベイルは薄毛を涙ぐましい努力でセットし、クーパーはパンチパーマだし、女性たちは(時代もあるのだろうが)カーラーで念入りにウエーブをつける。一番笑ったのはジェレミー・レナーのリーゼント。その姿でディスコで踊る。頑張れ。
女性陣の服装の露出度の高さにも、目のやり場に困った。エイミー・アダムスがいつも半分胸が見えてて、あの、大丈夫ですか?ブラつけてますか?と心配になった。
クーパーは自業自得だけど、レナーは気の毒だった。彼は何も悪くないのに。
事前に知らなかったので、あの大物俳優の登場には驚いた。あれだけの場面で台詞も少ないのに、圧倒的な存在感。怖かったよう。さすがです。
Ave  Maria  (CD)

Ave Maria (CD)

帰宅後、6声の「Ave Maria」が気に入った娘が、その曲の入ったCD(スウェーデン盤)を見つけて注文してくれた。無事届いて聴いている。21曲中17番目がその曲。輸入盤なので詳しくはわからないが(解説は英語)聖母マリアを歌ったコーラスを集めてあるらしい。聴いてると教会に居るみたい。こういうきっかけがなければ出会えなかったCD。こういう出会いは嬉しい。
Cache-Cache 4th Consert女声アンサンブル カシュカシュ第4回演奏会

Cache-Cache 4th Consert女声アンサンブル カシュカシュ第4回演奏会

特にプログラムの冒頭の「Ave Mariaを集めて」に感動した。いろんな作曲家の「Ave Maria」だけを集め、それぞれ単旋律から3声4声5声とパートが増えていき、最後は6声に。作曲家によって同じ「Ave Maria」も旋律が違う。わたしが知っている「Ave Maria」はシューベルトとグノーの曲だけだったが、今回はそれらはなかった。指揮者の説明で「Ave Maria」の歌詞?の前半部分は聖書の「ルカ伝」から取られていることを初めて知った。帰宅して思わず聖書を確認した。
6声の「Ave Maria」はDavid MacIntyreという人の作曲で、歌詞は「Ave Maria」しかない。とにかく全編「アヴェマリア〜アヴェ、アヴェ、アヴェ、アヴェマリア〜」の繰り返しなのである。こんな「Ave Maria」があるなんて衝撃だった。
この他にもパイプオルガンの伴奏や世界の民謡などの演目があり、心地よいひとときを過ごすことが出来た。
指揮者の手の動きが美しく見とれてしまった。全身を使っての指揮、素敵だった。
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