日々の雑記
冬の灯台が語るとき

冬の灯台が語るとき

ヨハン・テオリン/著 三角和代/訳
早川書房 2012年刊
舞台は前作と同じエーランド島。灯台の近くの屋敷に越して来た家族を襲う悲劇。今回も過去の出来事が時折はさまれるが、それが各年代の悲劇なので、よけい気分が落ち込む。事件性は前作より薄いので、そのぶん人々のドラマに目が行く。より複雑な感じだけど、この暗い雰囲気は好き。
黄昏に眠る秋

黄昏に眠る秋

ヨハン・テリオン/著 三角和代/訳
早川書房 2011年刊
舞台がスウェーデンの霧深い島(エーランド島)で、事件が子供の行方不明なので、もうそれだけで暗い。また探偵役が引退した船長で施設に入っている80歳の老人なので、動きが制限されることもあり、最初のうちは少し退屈だったが物語が進むにつれおもしろくなってきた。終盤はそれまでと打って変わって展開が早くなり、活劇もありハラハラした。事件の真相はだいたい予想はついたけど、ある部分は予想できず驚いた。厳しい自然とそこに暮らす人々の生活を描いて、雰囲気はミステリーというより人間ドラマという感じ。
海街diary8 恋と巡礼

海街diary8 恋と巡礼

吉田秋生/著 小学館2017年刊
「月刊フラワーズ」連載時に読んでいたエピソードもあるが、未読のもあったのでこれで話がつながった。チカの妊娠発覚、すずの高校説明会など、物語がラストに向かっているなという感じ。最初のエピソードを本誌で読んだのは2006年8月号。読み切りだと思っていたので、こんなに長く続くとは思わなかった。それぞれの人がそれぞれの人生を精いっぱい生きている姿が愛おしい。鎌倉を散策したくなる。
テンペスト第9巻

テンペスト第9巻

阿仁谷ユイジ/著 講談社2017年刊
完結シリーズのラスト。この時期なぜか完結が続いた。
設定はSFだけど内容はコテコテの恋愛もの。ドロドロの愛憎劇。でもキリエちゃんの幸せな笑顔が見られてよかった。だって身体的に1番複雑で素直に感情を表すことを知らない彼女が、切なくて愛おしくて幸せになってほしかったんだもん。
シュトヘル  14巻

シュトヘル 14巻

伊藤遊/著 小学館2017年刊
「完結シリーズ」をするつもりはないけど、こちらも14巻で完結。表紙が少女のシュトヘルだ!いや最初からシュトヘルは少女なんだけど、こんな穏やかな女性らしい顔が見られるなんて。いつも悪霊の顔で、可愛い顔はスドーの時だったから。そのスドーは鈴木さんと再会出来てよかったね。モンゴルのその後の後継者については色々と「ええ〜!そうだったのか!」だけど、なるほどよく出来ている。ラストにユルールがあんな大人になっちゃって…
この話も意外と主要人物が生き残っていてホッとした。
春の夢

春の夢

同じくフラワーズ2017年7月号
あら、こちらも完結?これは意外。そして事態は急展開。まさかこんな形で終わるなんて…うん、だからこれも「来春より新シリーズ開始!」になるわけね。「小鳥の巣」のキリアンのその後が描かれると期待していたけど、それよりももっとスケールが大きい話になってきて驚いた。作者の旺盛な創作欲に圧倒される。たしかに見事な完成度の「トーマの心臓」よりも話を広げやすいかな。エドガーたちが滅びずに生き残っていくためには、他の種族との共存は必要になってくる。そのためのファルカやナポリの一族の登場なのだろう。しかしあのオービンの語りかけで終わる美しいラストが好きだったので、複雑な気持ちではある。

とりあえず来年初めの宝塚公演が楽しみ(怖い?)明日海りおはヴィジュアルは最高のエドガーになるだろう。
祝完結!7SEESE

祝完結!7SEESE

月刊フラワーズ 2017年7月号
2001年から16年続いた連載が、ついに最終回を迎えた。わたしが本誌連載で初めて出会ったのは2003年、コミックスだと4巻の途中、1番悲惨な目覚めだった冬のチームの話の中盤だった。興味はあったがしばらくは連載を楽しんでいた。それが夏のAチームの話の頃からコミックスを買い始めた。それから約12年、感無量。当初から花と嵐が出会って終わりを迎えるのだろうと思ってはいた。その間に誰かは死ぬんだろうと思っていたけど、「BASARA」同様それほど死人が出なくてホッとした。ここらへん少女漫画の枠を外さないのはさすが。一応完結したけど番外編もあるそうなので、もう少し楽しめそう。
アンブレイカブル

アンブレイカブル

画像はディズニー公式(日本)より
6/7 DVDで鑑賞
2010年シャマラン監督作品。名前は知っていたが未見のこの映画、好きな人は好きだけど世間的には評価は低い。「スプリット」観たから観る気になった。ネタバレ。

「スプリット」の感想を見て回ってたせいで、内容もオチも知っていたが、でもそれでもおもしろかった。わたしは好き。でも「なんじゃこれ?!」という人がいるのもわかる。わたしもリアルタイムで観ていたらそう思ったかも。
最初からブルース・ウィルスがいつも悲しそうな表情で、いつもの不安をあおるような演出もあり、この雰囲気は好きだった。これはアメコミにおけるヒーローとヴィランの誕生の物語。ヒーローの誕生が同時にヴィランの誕生でもある。しかも自分の存在意義を知って喜ぶのは、ヒーローではなくてヴィラン。ヒーローは喜びもつかの間愕然とする。彼のこれからの朝の目覚めは、今までと違ったより複雑な悲しみに満ちたものになるだろう。その皮肉。悲哀。
美女と野獣

美女と野獣

6/5 映画館で鑑賞。
とってもおもしろかった。お話は有名だし、昔のコクトー版と2014年のレア・セドゥとヴァンサンの映画は観ていたし、今さら観ることもないかなと思っていた。しかし評判いいし、ミュージカルは好きなので(オリジナルのアニメ版は未見)観に行った。
うん、これはおもしろい!何より歌がいい。ミュージカルはやっぱり歌が良くなくっちゃ。衣装も素敵。すごく楽しかった。サントラ欲しくなった。
スプリット

スプリット

5/20 映画館にて鑑賞
お気に入りの俳優マカヴォイ君の多重人格演技が楽しみだった映画。うーんマカヴォイ君の演技は予想通り凄かったけど、ストーリーが納得いかなくて絶賛できないのが残念。おもしろかったんだけど、なんかモヤモヤする。なぜなのか考えてみた。ネタバレあり。

24番目の人格って、それ人格なの?ただの怪物なんじゃないの?人格によって体格も持病も身体能力も変わる、という説明があったけど、それにしてもあれはないんじゃないか。たしかにそれに加えて、超能力者とは彼ら多重人格者のことではないかという言葉もあったけど、それで説明がつくとはわたしには思えない。サイコサスペンスから突然トンデモに途中から変わってしまったようで、戸惑った。それがシャマランだといえばそうだし、はっきりした説明のない「ハプニング」なんかはおもしろく観られたんだけど。なまじサイコサスペンスだという先入観があったのがまずかったのかな。それでもなんとか受け入れられそうだったのは、最後に主人格のケビンがケイシーに撃たれて死ぬことを予想してたからだと思う。自分を守るために生まれた他の人格が人を傷つけたことを知った彼が、ケイシーに殺してくれと頼む。その主人格のまま彼が死ねたら、悲しい最期だけどわたしには納得出来たのだろう。そしてその後のケイシーが叔父に対しても強く出られることが予想出来て、彼女の未来に光が見えてよかったとより強く思えただろう。それがあのラストだもんなあ。
しかし監督の意向は「アンブレイカブル」の続編であることらしいので、それならこのストーリーもやむなしなので、わたしがここで文句言っても始まらない。とりあえず「アンブレイカブル」観ようかな。
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