ネパールの民話

ネパールの民話

娘がネット書店でネパールの民話の絵本を見つけた。懐かしくて購入。
著者の茂市久美子という名に見覚えがあり検索すると、『ヒマラヤの民話を訪ねて』という本があった。図書館から借りてきたら、そのなかの民話のひとつに絵本の元になった話があった。
『なんで人は青を作ったの?』

『なんで人は青を作ったの?』

『なんで人は青を作ったの? 青色の歴史を探る旅』 谷口陽子・高橋香里・著 クレメンス・メッツラー・画  新泉社 2025年

「13歳からの考古学」というシリーズの一冊。自然にはほとんど存在しないという青色の鉱物。人類は古代からさまざまな工夫をして青色を作り出してきたという。その青色を中学生が老化学者の指導で作り出していく過程を、物語形式で描いている。
最初のカラー口絵で歴史上の青色を写真で紹介してあって、それだけ見ていても飽きない。挿絵では実験方法が描いてありこれも興味深い。青色を作り出す実験を指導してくれる老化学者が、当時の歴史も教えてくれるのでこれも勉強になる。なるほどこれは考古学なんだ。とは言っても全部理解することは難しいけれど。

ウルトラマリンブルーはラピスラズリから作られ、金1グラムと同じ価値があったといわれる。
人類最古の合成の青色がエジプシャンブルー。
18世紀初頭にドイツ・ベルリンで偶然できたというプルシアンブルー。
コバルトガラスから作られるスマルト。
インディゴから作られるマヤブルー……まだまだあって覚えきれない。

顔料と染料の違いも説明されていた。
顔料は色のついた粉末で水に溶けない固体。絵の具にするためには顔料の粉と膠着材という接着剤を混ぜて練る。
染料は水や液体に溶けるもので、布や革を染められる。染料が繊維から溶け出さないように、媒染剤という薬品と結合させる。ーなるほど。

身の周りには青色をはじめいろんな色があふれているため感じていなかったが、自然界では青色は少なく人類がこんなにも苦労して青色を作り出していたことを初めて知った。青に魅せられた人々の探究心や情熱が、さまざまな手法で青色を生み出していく。まだまだ歴史上解明されていない青色もある。「青」から科学、語学、歴史、文化などすべてがつながり、世界は深く大きく広がっていく。知るということはこんなにも喜びに満ちている。
『ショコラ・アソート  あの子からの贈りもの』

『ショコラ・アソート  あの子からの贈りもの』

『ショコラ・アソート あの子からの贈りもの』 村上雅郁・著 フレーベル館 2024年

著者のこれまでの5つの作品、それぞれの主人公のそばにいたあの子たちの物語。サブキャラクターたちのスピンオフ。

『あの子の秘密』櫻井美咲 ー秘密のゆくえー
『キャンドル』石川瑠璃 ーラピスラズリの初恋ー
『りぼんちゃん』光丘沙希 ーあかずきんちゃんをさがしてー
「きみの話を聞かせてくれよ』くろノラ ーきみがくれた贈りもの
『かなたのif』横田佑実 ーバカナタの言うとおりー

正直沙希のことは記憶になかったので意外だったけど、あとの子たち、特に美咲と佑実はすごく気になってその後を知りたいと思っていた。

けれど美咲の切ない気持ちの行方を見守るつもりだったのが、作者がもう一捻りしてきたので、ちょっと驚いた。作者も美咲のことはずっと気になっていたという。この5年の間に作者の中でここまで深く育った物語だったのか。もう一度『あの子の秘密』を読みたくなった。

佑実は、ひょっとしたらそれぞれの世界の佑実を描くのかと思っていたけど、ここはやはり湖子の方だった。そしてやはりわたしは『かなたのif』がたまらなく好きなのだなとあらためて思った。
だから『かなたのif 』と重複するけど、しつこいけど、湖子の書いた『ドコカの物語』の最後の言葉を記したい。

ー人はみな、だれもが究極的には『ひとりぼっち』で、だれかと、つまり他者と出会いたいと、そう思っている。その願いをかなえる『虹のしずく』は、ようするに、それぞれが人生で出会うもの、すべてなのだ。
だれか、心のそこから大切だと思える存在と出会うことこそ、希望であり、よろこびであり、光であり……。

きっと人はそれを『幸せ』と呼ぶのだろう。
久しぶりのコーヒー

久しぶりのコーヒー

午前中の自治会役員会のあと、いつも通り午後は動けなくなり布団に転がっていた。ずっと眠っていたわけではないが、時々うとうとしていた。
夕方に庭に水をやろうと起き上がった時、ふと「コーヒーを飲んでみようかな」と思った。それまでは飲みたい気持ちになれなかったので「もしかしたら飲めるかも」と、とりあえず薄めに淹れてみた。
一口飲んで「あ、大丈夫かも」と思った。まだ少し苦味を感じるのだけれど、チョコレートと一緒に少しずつ飲んだ。以前のように「ああ美味しい〜」とまではいかないけれど、そしてやはりまだ全部飲みきれなかったけれど、久しぶりのコーヒーを楽しむことができた。
これも椿

これも椿

赤い椿とピンクの乙女椿の間に、赤と白の二色の椿が咲いてる。確か数年前に赤い椿と同じ木に咲いていた記憶があるのだけれど、今日見たらどうも違う木みたい。配色もさまざまで、赤が多かったり白が多かったり、一つ一つ違うのもおもしろい。
桜より椿

桜より椿

ずっと降ってた雨がようやくやんで、日が射して暖かくなってきた。
そろそろ桜も見頃だろうと、買物に行く前にスーパー近くの公園に行ってみた。でもほとんどがまだ満開ではなく、週末にちょうど見頃になりそうだった。
桜よりも椿が満開だった。落ちた花が根本に赤い絨毯のように広がり、見上げれば枝にたわわに咲いていて、上と下とで赤い花の競演が見られる。
赤い椿も綺麗だけど、ピンクの乙女椿がとても可愛かった。まるでブローチのようにきれいな造形に、いつも感心する。日向だともっと薄いピンク色だけど、ちょっと日陰のこの色がとても素敵だった。
コーヒーがまだ飲めない

コーヒーがまだ飲めない

胃腸炎を発症してから2週間過ぎた。
動くたびにお腹に響いていた症状もおさまり、食事もまだ量は少なめだけど、ほぼ元通り摂れるようになった。
でもまだコーヒーが飲めない。いつもは朝と午後に一杯ずつ飲んでいた。元々コーヒーは好きでつい飲み過ぎてしまうので(多い時は5杯くらい飲んでいた)最近は1日2杯で我慢していた。そんな大好きなコーヒーも体調が悪いと飲めなくなる。飲みたくなかったり、飲んでも美味しく思えないのだ。コーヒーが体調のバロメーターになっている。

今はまだ飲みたい気持ちもないし、試しに淹れてみたけど、香りはいいのだけど、一口飲んで苦いだけで全然美味しく感じられない。だからまだ体調は完全に回復してないのだろう。今はコーヒーよりも紅茶と麦茶ばかり飲んでいる。煎茶も飲みたくない。
早くコーヒーを美味しく飲めるようになりたい。

写真は紅茶。カップは昔娘からプレゼントしてもらった、夫とお揃いのマグカップ。わたしのはヒビが入ってしまったので、今は夫のカップを使っている。もう30年くらい使っている。
映画「落下の解剖学」

映画「落下の解剖学」

「落下の解剖学」フランス 2023年(日本公開2024年)
WOWOW放送を録画で視聴。
一気に見ようと思っていたけど、そろそろクライマックスかと思っていたらまだ半分過ぎたくらいだったので、とても気力が続かず2日に分けて見た。
登場人物の話す言語が、英語だったりフランス語だったりで、最初混乱した。状況を理解するのもとても大変だった。少しずつ分かってはくるものの、何かすっきりせず肝心な部分が曖昧なまま進んでいくのでとても疲れた。そして最後まで曖昧なままだった。

少しずつわかっていったことに加えて、夫の録音した夫婦喧嘩で状況があらためてわかってきた。この喧嘩の場面は凄かった。妻はドイツ人の作家、夫はフランス人の教師、2人は英語で会話している。以前はイギリスに暮らしていたが、今はフランスで暮らす。息子は事故のため視覚障害がある。夫婦の間に埋めがたい溝があること。等々。

突然の夫の死。何があったのか。妻が殺人罪に問われ裁判がはじまる。執拗な検察側の追及に妻は苦手なフランス語で答える。これはとても不利だ。途中から英語に切り替わったのはよかった。
この裁判の場面はわたしが被告だったらとても耐えられない。何回か聞かれて、最初と違う発言をしてしまうことは誰だってある。そこを指摘され責められたら慌ててまた違うことを口走ることだってある。検察の印象操作を強く感じるが、弁護士が言ったように真実かどうかより、世間にどう見えるかが肝心なのだ。裁判って真実を解明することではないのか、と愕然とした。裁判って何だろう。

物的証拠がなく、全て状況証拠だけ。検察も弁護団も証人も、みんな推測でしか語らない。どうせ全ては推測で検察は妻の有罪を導き、弁護側は無罪に持っていきたい。ならば結局は息子の幸せを考えること、息子の希望を叶えることが、1番いい落ち着き方なのではないだろうか。その息子は母親の無罪を望んだ。

検察が、それは君の推測でしかない、と批判した時、彼は「全てがはっきりしてないのなら、自分で考えるしかない」(正確にこう言ったのではないけど)と答えた。これは検察や裁判官に対して強烈な言葉だったと思う。検察も推測だけで妻が有罪だと考えた。では推測だけで無罪と考えても同じことではないか。

結局肝心なことは何もわからず終わる。すっきりしないしとても疲れた。こんな映画もあるんだな。
妻も息子も俳優の演技はとても良かった。妻を演じた人は「関心領域」でも見たけど、すごく上手い人なんだな。
『存在しない女たち』

『存在しない女たち』

『存在しない女たち』キャロライン・クリアド=ペレス・著 神崎朗子・訳 河出書房新社 2020年

胃腸炎の見舞いと、ブッツァーティの「七階/待っていたのは」を借りに来た友人から、勧められた本。気にはなっていた本なので購入した。
まだ「はじめに」と目次しか目を通していないが、思い当たる言葉ばかり並んでいる。これからじっくり読んでいきたい。勧めてくれた彼女は「イエントル症候群」「ジェンダー・ギャップ・ペイン」について、友人の例を引いて特に力説していた。