アバウト・タイム

アバウト・タイム

11/1 ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。

よかったよー!副題「愛おしい時間について」そのままの、本当に愛おしい映画だった。心がほっと暖かくなる。
ビル・ナイ目当てだったんだけど、もちろん彼はそれはそれは素敵だったんだけど、でも登場人物みんな素晴らしい。主人公のティム役のドーナル・グリースン、最初は冴えない男の子だと思ったけど、観ているうちにだんだん笑顔がとてもキュートで可愛くみえてきた。レイチェル・マクアダムスはついこの間「誰よりも狙われた男」で見たばかりだったけど、その時とは全く違う雰囲気で、びっくりした。ちょっと野暮ったくて可愛くて、これまたキュートでお似合いの二人。
ティムと父親の最後のタイムトラベルでは、涙があふれた。
わたしもその日その日を大切に丁寧に生きていきたい。
ROOM303(ルームサンマルサン)

ROOM303(ルームサンマルサン)

葦原大介/著
少年ジャンプ+で掲載されていたのをiPadで読んだ。
もともと投稿作で第75回手塚賞準入選作。そのまま週刊少年ジャンプ本誌に掲載された。
娘はそれを読み著者に注目していて、「賢い犬リリエンタール」が連載されると、わたしに強烈にプッシュしてきた。残念ながらわたしの反応ははかばかしくなかったのだが、折にふれこの「ROOM303」のことを話題にしていた。そして今回webで読めるようになり、ぜひ読んで!と言われ、ようやく読めたのだが。
うわーこれがデビュー作?!投稿作品?!これはすごい。なるほど娘が惚れ込むはずだわ。絵柄も今とほとんど変わらない。そうか、これが葦原大介か。彼の原点はこれか。「リリエンタール」の時に感じた違和感というか不穏な感じの正体はこれだったのか。この路線でどうしていかなかったのだろう?少年誌だから?「アイアンナイト」もそうだったし、少年誌の限界かな。
担当さんは彼を育てて、次代のジャンプを支える作家にしたいと思ったろうなあ。何とか彼のこの持ち味を壊さずに、上手く育ててほしい。
めぐり逢わせのお弁当

めぐり逢わせのお弁当

10/29 新宿シネマカリテにて鑑賞。

予告編から想像していた物語とは違った。
ああ、人はひとりなんだな、淋しいな。しみじみとそう感じた。
では暗い映画なのかというと、そうではない。でも心暖まるほのぼの物語というのでもない。
ラストシーンをどうとればいいのだろう。その身を飾るアクセサリーを全て外し、娘を見送るイラ。あの表情の意味するものは。何かの決意にはちがいない。未来への希望とか不安とか、そんなものでは語れない。ああそうか、ひとりの人間の人生の岐路に立つ姿を見せられたのだ。だから喜び悲しみを通り越した、厳粛な気持ちになったのだ。
一方のサジャーン。登場時の人生に疲れた偏屈な初老の男性が、ラストではなんと穏やかな明るい表情を見せるのだろう。演じるイルファーン・カーンが素晴らしい。
その後の二人が出会っても出会わなくても、真摯に人生と向き合って前に進んでいくだろう。だからやはりこれはハッピーエンドなのだろう。
トム・アット・ザ・ファーム

トム・アット・ザ・ファーム

10/25 ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。

えっと、つまり、ストックホルム症候群だね。なんかもう登場人物全部壊れてて怖いよう。あれはあの農場がいかんのだ。なんだあの廃墟のようなところは?あそこにいたら心を病むよ。体大きくて暴力的な兄より、あの母親が一番怖かった。「母が笑ったのは久しぶりだ」って嬉しそうだったけど、いつ泣き出すか叫び出すんじゃないかと、気が気でなかった。かえって怖いんですけど。
音楽が使いすぎのような気がして、もう少し減らすか音量を下げてほしかった。あれだけ映像が雄弁なんだから音楽はいらないんじゃ?でも主人公の不安定な心を表すのに必要なのかなぁ。こちらが音にビックリするたびに、壊れていく主人公の状態がわかるのかも。
この監督(主演)の他の作品も観てみたい。気力体力いりそうだけど。
予告編で流れていた「風のささやき」が懐かしい。
僕は秋子に借りがある

僕は秋子に借りがある

森 博嗣/著 講談社文庫 2009年刊

自選短編集。2008年単行本で刊行された時読んでいたし、その前に初出の頃にも読んでたけど、けっこう忘れている。でもやっぱり好きだな、森さん。
すべてがFになる

すべてがFになる

森 博嗣/著 講談社文庫 1998年刊

テレビドラマ化されたので、久しぶりに再読。やっぱりおもしろい。最初にノベルスで刊行されたのが1996年で、わたしが読んだのは「黒猫の三角」の刊行された頃だから、1999年頃だったろうか。あの時よりかはコンピュータ関連については分かるようになったけと、でもまだわかりません。わかんないけど、いいんです。
鹿の王 上下

鹿の王 上下

上橋菜穂子/著 角川書店 2014年刊

国際アンデルセン賞受賞おめでとうございます。そしてまたこんな素晴らしい物語を書いてくださってありがとうございます。

おもしろくて一気読み。上橋さんの作品は異世界のファンタジーであっても、その世界の自然、そこに住む人々、暮らし、動植物、政治形態までがしっかり描かれている。骨太で壮大な物語にいつも酔わされる。
書店で見たこの作品のポップに、梶原にきさんのイラストがあって懐かしかった。「キルゾーン」からもう何年だろう?
銀の馬車

銀の馬車

キャロル・S・アドラー/著 足沢良子/訳
金の星社 1983年刊

図書館で児童書の書架を通るたび気になっていた本。ファンタジーかな?と思っていたら、偶然にも先に読んだ「サマセット四姉妹の大冒険」とちょっと似た話だった。家族内で居場所がない子どもの心が、いい隣人や遠く離れた親戚とのふれあいで再生するという話はよくある。ここでは夏の間預けられた祖母の家での生活が、主人公を成長させる。これ、とてもいい話だった!
両親が離婚し、忙しい母親との仲はギクシャクし、幼い妹には振り回されイライラするクリスの気持ちは本当によくわかる。同時に母親の気持ちもよくわかる。たぶん母親とのすれ違いの反動なのだろうけど、父親を美化してしまうクリス。自分こそがあの素晴らしい父親に愛されているのだ、という思い込み。でもそうでも思わなければ、やりきれなかったのだろう。実際の父親の姿があまりにも酷すぎたのが、ちょっと一方的すぎるかな。亡くなった叔母のことも少し気になる。苦しさを乗り越え、希望を見いだして再出発するクリスたちを、心から応援したくなる。
サマセット四姉妹の大冒険

サマセット四姉妹の大冒険

レズリー・M・M・ブルーム/著 尾高
薫/訳
ほるぷ出版 2014年刊

うーむ、今イチというか惜しいというか。両親が離婚し、高名なピアニストの母親は演奏旅行で不在がち。そんなコーネリアの淋しい心はよくわかるし、その部分はおもしろい。ただコーネリアの孤独を癒し勇気を与える、タイトルにもなってる隣人のヴージニアの話がおもしろくない。どうもとってつけたような話に感じてしまった。せっかくいろいろ心惹かれる設定があるのに、もったいない。
誰よりも狙われた男

誰よりも狙われた男

10/18 ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。

ホフマンちゃんの遺作。それだけでも悲しいのに、何たるラスト!ひどいよ!あんまりだよ!コツコツと地味に根気よく成し遂げた仕事。なのに。でもこれが正義、世界の平和のため、という理屈もまた分かるのだ。認めたくないけどそうなのだ。でも彼はこういうやり方しかできないし、これからもこうやっていくしかないのだろう。やりきれない。
ホフマンちゃんは酒とタバコを手放さず、それじゃあ命縮めるよ、と現実と重なってかなしくなった。いちだんと丸くポヨポヨした姿は相変わらずかわいいけど。あのまるっこい指でピアノも弾いてくれたし、ドイツ語もちょっとしゃべってたし、ホフマンちゃんのいろんな姿を見られて、よかったよ。もうこれでお別れなんだね。

弁護士のアナベル役の女優さん、きれいな人だなと思ってたら、この人がレイチェル・マクアダムスだったのね。名前は知ってたけどたぶん観たのは初めて…あ、「シャーロック・ホームズ」のアイリーン・アドラーだったのか!
ウィレム・デフォーはつい先日「ファーナス」で観たばかりだったから、何か変な気がしたけど、かっこいいなあ。今年は「グランド・ブタペスト・ホテル」でもお目にかかったし、近く上映の「ニンフォマニアック」2の方にも出演してるらしい。

舞台はドイツなのに会話が英語ってのも、いつものことながら何だかね。ホフマンちゃんが「マイケル」って言ってるのに字幕で「ミヒャエル」って出るのが違和感バリバリだった。

異様に男性率の高い劇場だった。こんなの「スパイ・バウンド」以来。