フォグ・ハイダーThe Fog Hider (帯付き)

フォグ・ハイダーThe Fog Hider (帯付き)

森 博嗣 / 著
中央公論新社 2014年刊
「ヴォイド・シェイパ」シリーズ最新巻。
帯のタイトルはカタカナだけど、本来の表紙はアルファベット。霧隠れ?
相変わらず主人公ゼンの行く所トラブルあり。本人そのつもりなくても厄介事を引き寄せるさだめなのかなあ。剣のことしか考えてないゼンが、トラブルのたびに内省し、少しずつ人付き合いの機微を覚えていく。ゼンの成長というより、周りがゼンに影響される方が大きいようにみえるけど。はたして都に入るまであとどれだけあるのか、入ってそこで終わるのか、または入らずに終わるのか。当初の予定より延びたそうだけど、どこまでこのシリーズは続くのか。好きな作品なので、気長に待とう。
シャバはつらいよ

シャバはつらいよ

大野更紗 / 著 能町みね子 / 絵
ポプラ社 2014年刊

「困ってるひと」の続編。著者が退院し、いよいよ一人暮らしを始めるところからの話。前作でも思ったけど、お役所仕事ってまったく…。首都東京の障害福祉の中心であるセンターが「障害がある人のための施設」にはとても見えなかった、というところには愕然とした。そんなものなんだ、まだ日本の福祉は。想像もつかない痛みに24時間ずっと耐えながら、この人はなんと前向きに生きているのだろう。頭が下がる。ありきたりな言葉しかかけられないが、頑張ってほしい。
午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン

相沢沙呼 / 著
東京創元社 2009年刊

表紙の写真を見た時はラノベかと思っていた。第19回鮎川哲也賞受賞作だったとは。
高校生たちの様子がくすぐったいような、痛々しいような、イライラするような、うん、とっても青春してる。ちょっとまわりくどいと思ってたけど、ラストに全ての伏線が回収されていくのは気持ちよかった。
あなたの人生の物語

あなたの人生の物語

テッド・チャン / 著 浅倉久志・他 / 訳
早川書房 ハヤカワ文庫SF

全部で8編からなる作品集。科学用語、SF用語、IT用語てんこ盛りで、半分どころかほとんどわからない。描写が細かくて目がすべる。でも「理解」や「七十二文字」はその描写にぐいぐい惹きつけられた。SFなんだなあ。わけわかんないけどおもしろい。
からすが池の魔女

からすが池の魔女

E.G.スピア / 著 掛川恭子 / 訳
岩波書店 1969年刊

これはまた地味で重い話だ。舞台はまだ独立前のアメリカ、コネチカット州。厳格なピューリタンたちの質素な暮らしは、カリブ海の島からやってきた主人公キットにはなじめない。家事など奴隷な仕事なのに、と不満なキットにはイライラさせられた。しかしそれは彼女の育ってきた環境のせいなので、仕方ないかなとだんだん思えるようになった。暮らしぶりはキットの伯母家族の方が好感が持てるのだか、考え方となるとキットに肩入れしたくなる。この世界ではキットは異物であり、異物はいつの世でもどこでも排除されようとする。彼らと宗教が違う(クェーカー教徒)ハンナはそれだけで魔女扱いだ。そのハンナと親しかったキットが魔女裁判にかけられる。自由を求めて移住してきた人々であったはずなのに、その自由な暮らしを守るためには自分たちもまた排他的な考えになっていかざるを得ない。なんたる皮肉。彼女が字を教えた少女プルーデンスによって、彼女が救われる場面は圧巻。
この時代のこと地域のことなどをもっと知りたくなった。児童書はやっぱり奥が深い。
北村薫の本格ミステリ・ライブラリー

北村薫の本格ミステリ・ライブラリー

北村薫 / 編 角川文庫 2001年刊

この本の最後に収録されているのが、「ジェミニー・クリケット事件」アメリカ版。
たしかに以前読んでいたのにタイトルの他はまったく忘れていた。なので、この作品の初読はイギリス版の方と考えていい。

北村さんはこのアメリカ版の方がいいという。有栖川有栖も同じ意見。そしてだいたい、先に読んだ方がいい、という意見が多いらしい。わたしも先に読んだイギリス版の方が好きだ。たしかに切れ味はアメリカ版の方がいいし、分かりやすい。しかし余韻があるのはイギリス版だと思う。
招かれざる客たちのビュッフェ

招かれざる客たちのビュッフェ

クリスチアナ・ブランド / 著 深町眞理子 他 / 訳
東京創元社 創元推理文庫 1990年刊

イギリスの女性ミステリー作家クリスチアナ・ブランドの短編集。わたしはアガサ・クリスティが好きだか、このブランドもイギリスミステリー界の重鎮らしい。クリスティとはだいぶ作風が違う。最初は少しとっつきにくい。読後感もあまりよくない。解説の北村薫さんの言葉を借りると作者は「頭がよい」そして「意地悪」うーん、たしかに。
この中の「ジェミニー・クリケット事件」は聞き覚えがあったので本棚を探してみたら、「北村薫の本格ミステリライブラリー」に収録されていた。
本書は「イギリス版」で「北村薫の〜」の方は「アメリカ版」さて、どう違うのか。
ブリット-マリはただいま幸せ

ブリット-マリはただいま幸せ

アストリッド・リンドグレーン / 著 石井登志子 / 訳
徳間書店 2003年刊

1945年に出版されたリンドグレーンのデビュー作。10歳から15歳ぐらいの少女向け懸賞小説に応募し、二等を受賞した作品。主人公は15歳の少女で、ペンフレンドに当てた手紙形式になっている。そのせいか「あしながおじさん」に似た感じ。少しもたもたした感じなのはやはり処女作だからかな。でも家族のこと友人のこと将来のことなど、この年代の少女らしい出来事や考えが素直に綴られていて微笑ましい。
将来の希望として、結婚はもちろんしたいけど、その前に勉強したい。そしてきちんとした仕事をしたい、できればジャーナリストになりたい、と書いてある。これはたぶんリンドグレーン本人の当時の希望だったのだろう。
思い出のマーニー

思い出のマーニー

7/19 MOVIXさいたまで鑑賞。
原作が素晴らしいので心配だったが、素直に感動した。原作の改変はどんな作品でもある程度は仕方ない。これは原作よりわかりやすく上手くまとめられていて、よかったと思う。杏奈が滞在する大岩夫妻の家が素敵!あんな家に住みたい。
不思議のひと触れ

不思議のひと触れ

シオドア・スタージョン / 著 大森 望 / 編
河出書房新社 2003年刊

たしかに以前読んだはず、でも中身が全く思い出せないので、再読。
「もうひとりのシーリア」と「裏庭の神様」を読んで、思い出した。これ、たしかに読んだわ!その他では「ぶわん・ばっ!」もうっすら覚えていた。つまりはこれらが印象強かったということかな?とにかく変わった話ばかり。