漫画『本なら売るほど』1、2

漫画『本なら売るほど』1、2

『本なら売るほど』児島青・著 KADOKAWA

webで第1話を読んで(無料で読めたので)興味はあったけど、買うまではと思っていた。でもwebで第7話が途中までしか読めなくて、続きが気になってとうとう電子書籍で買ってしまった。
紙の本をこよなく愛する人々と古本屋の話なのに、紙の本でなくてごめんなさい。電子だと少しお安いし思い立ってすぐ読めるので、つい。

取り上げられている本、ほとんど読んでいない。中には存在すら知らない本もあり、本好きを名乗るのが恥ずかしくなった。でもこれから読んでいけばいいよね。
3000冊の積読本の話にはホッとした。読んでないけどその本について熱く語るさまに、こういう本好きだっているよねと思った。

「青木まりこお断り」の貼り紙。えー?あの現象に名前がついていたのか!わたしも経験あるぞ。

病院で会ったしゃれこうべの八掛(そんな柄の八掛あるんだ!)の着物姿の老婦人。かっこいい!着物警察とは違う柔軟な考えとセンスの良さ。マフラーとサングラスを装着して、颯爽と去る姿には惚れ惚れする。

古本屋の先輩の言葉「本を信じろ ここにあるすべての本は歴戦のサバイバーなんだから」が胸に響く。

古本屋十月堂のこれからを応援していきたい。

先月は行けなかった青空古本市、梅雨入りしちゃったけど今月は行けるといいな。
劇団四季の紹介

劇団四季の紹介

普段テレビはニュースくらいしか見ないのだが、昨日は「with MUSIC」という番組で劇団四季が取り上げられるというので見た。

「美女と野獣」の舞台裏探訪で大道具、小道具、衣装と紹介される。まあ、全てが可愛いこと可愛いこと!「美女と野獣」は何年か前、実写版ミュージカル映画を見て満足していたのだけど、これは舞台版も見たい!

劇団四季の有名な母音法も紹介された。母音法については詳しくは知らなかったので、実際の訓練の様子を見せられてようやく理解できた。なるほどあの訓練すれば、自分ももう少し滑舌よくなるかもしれない。

そして最後に、舞台の扮装でベルとビーストがミセスポットの歌で踊るシーン。うわーこのポットの人めちゃめちゃ歌が上手いわ!なんの力みもなく、かといって平坦でもなく、綺麗な声でゆったりと温かく包み込むような歌声だった。四季の歌のレベルの高さをあらためて思い知った。

今ようやく引きこもりからの外出リハビリ中で、近場での映画には行けるようになった。舞台となると遠いしチケット予約もありなかなかハードル高いけど、いつか見に行けるようになりたい。
動きはじめた時計

動きはじめた時計

コロナ禍で外出は市内だけになり、腕時計をする機会がなくなっていた。
最近ようやく電車に乗って出かけることが増え、いよいよ腕時計の出番がきたが、しまったままの時計は電池切れで止まっている。昨日時計屋さんで電池交換してもらい、止まっていた時が動き始めた。これからこの時計を付けていろんなところに出かけられる、とわくわくしている。

娘と色違いの時計。わたしはだいたい左の方をしてるけど、時々取り換えることもある。時計はまだあるけど、とりあえず使う頻度の高いこちらを復活させた。
杏のジャム

杏のジャム

ご近所の方から杏をいただいた。「ジャム作ってね」との言伝だったので、初めてだったけど作ってみた。やり方はネットで検索。とにかく簡単に出来るものを、と電子レンジで出来るレシピを参考にした。どうなるかドキドキしたけど、手順も簡単で出来上がりも上々。おいしかった!添加物なしで健康的。あまり長く保存できないけど、このくらいの量ならすぐ食べ切ってしまうから大丈夫。

子どもたちが小さい頃は梅シロップを作ったけど、最近は全くやらなくなっていたので、久しぶりに手作りの楽しさを思い出した。
カフェの話

カフェの話

ケーキの美味しいカフェとコーヒーの美味しい喫茶店、というお気に入りの店が2つあったのに、喫茶店の方が4月で閉店してしまいしょんぼりしていた。

するとカフェの方が今月から営業日を増やした。今まで週4日営業だったのに、週5日に増え行きやすくなった。

今日も映画の帰り、ちょうど営業日で時間も開店直後だったので、寄る事が出来た。お腹が空いていたのでごはんプレートを頼んだ。
映画の上映時間次第でランチには無理な時もあるけど、紅茶とケーキには寄れるかもしれない。

写真はカフェ近くの紫陽花ー隅田の花火
映画「どうすればよかったか?」  追記あり

映画「どうすればよかったか?」  追記あり

映画「どうすればよかったか?」2024年 日本
6/5 OttOにて鑑賞

「どうすればよかったか?」という問いかけには、いや、どうもできなかったでしょう?としか言えない。正解は医療に繋げるしかないのに、両親の了解が得られなければもう打つ手はない。

分からなかったのは姉は医大を卒業したのかどうか?国家試験を受けさせようとする父親と、学位をもらえるから試験受けなくていいとか何とか言う母親の様子からは、状況はさっぱりわからない。姉だけでなく両親の言う事も支離滅裂な気がした。これは普段同居してない弟の、情報を共有させてもらえない疎外感と苛立ちなのかな。

あのモノが多い家の掃除は誰がやってるんだろうと気になった。

姉も母親も父親も、表情や言動はわりと見覚えのあるものだったので、さほど意外性はなかった。一緒に見た娘ともそういう話をして、義母や夫との思い出をひとしきり話し合った。

娘のSNSへの投稿はこちら↓
https://mastodon.social/@August16th/114629530129734510

追記: 娘のブログ もう少し詳しく書いている↓
https://august16th.hatenablog.com/entry/2025/06/05/222920
『目で見ることばで話をさせて』

『目で見ることばで話をさせて』

『目で見ることばで話をさせて』アン・クレア・レゾット・著 横山和江・訳 岩波書店 2022年

かつて誰もが手話で話していたマーサーズ・ヴィンヤード島。メアリーは父母兄と暮らしていたが、兄が事故で亡くなって以来母親との関係に悩んでいる。島に聾者が多い事を調査する為に若い学者がやって来て、島の住民や生活が掻き回され、メアリーの身に大変な事が起こる。

以前読んだが続編が出たので、この機会に再読。読んでて辛かった思いは変わらず。でも前回は、メアリーが学者アンドリューに「生きた標本」として本土に連れ去れてからの印象が強かったのだが、今回はその前からの母親との関係や平和だと思っていた島にも色々問題があった事にあらためて気づいた。

物語の時代は、マサチューセッツ州の奴隷制度廃止(1783年)から間もない19世紀初頭、島には聾者と聴者だけでなく、先住民も黒人も住んでいる。住民のルーツもイギリス系フランス系と多様だ。入植者と先住民との土地の権利をめぐる争いなどもある。メアリーの父親は偏見のない人物だが、母親や住民の中には偏見を持ち差別する人もいる。

父とメアリーは聾者母と兄は聴者。だからといって親の子どもたちに対する愛情に差があるわけではない。しかし母親は子どもを失った悲しみで余裕がなく、メアリーは兄の死に責任を感じそれを打ち明けられない苦しさがある。ふたりが話すにはきちんと向き合って、手話で話さなくてはならない。メアリーは話すために自分を見て欲しいと願うが、時として母親は悲しみにひたって俯いてしまいメアリーを見る事がない。どちらの気持ちもわかるからすれ違いが悲しい。

メアリーが聾者である事を特に意識する事なく普通に生活できていたことが、どれほど幸せな事だったことか気づくのはアンドリューに本土に連れ去られてからだ。だいたいこの男は調査と言いつつ持論の証明のために都合の良いことしかやらない。話を聞きに来ていながら、父親とは目も合わさず手話を通訳する母親しか見ようとしない。拉致してきたメアリーを閉じ込め手話を禁じ紙と鉛筆も与えない。彼の考えでは聾者は劣った人間で知性もないので、メアリーがそれに当てはまる「生きた標本」でなければならないのだ。世話をしてくれた家で、ようや自分の状況を訴えて脱出する。危機一髪の脱出、逃走にははらはらしたけれど、島に帰れて本当に良かった。母親との関係も改善され、不本意なことだったが外の世界を知ることで成長出来たことも事実だ。続編もあるというので、11歳のメアリーの今後が楽しみだ。

自身も聾者という著者の巻末の解説には情報がぎっしり。『みんなが手話で話した島』の紹介もあり、早く読まなくてはと思う。

また訳者あとがきにもたくさん情報があり、齋藤陽道『声めぐり』『異なり記念日』、丸山正樹『デフヴォイス』が参考になったとある。
さらに日本の宮窪町のことも書いてあり、この町の手話を参考にした丸山正樹「静かな男」(『慟哭は聴こえない』所収)を思い出した。

途中辛くてたまらなかったけれど、読んで良かった。多くの人に読んでもらいたい。
『TRUE Colors トゥルー・カラーズ』

『TRUE Colors トゥルー・カラーズ』

『TRUE Colors トゥルー・カラーズ』講談社 2023年

講談社の「YA!ENTERTAINMENT」レーベルの中の「YA!アンソジー」シリーズの一冊で、
副タイトルが「YA!ジェンダーフリーアンソロジー」
(しかし、レーベル名、シリーズ名、副タイトルとややこしかった)

ー心と身体を取り巻くあれこれ。「今」を生きる児童文学作家がジェンダーと中学生をテーマに物語をつづりますー

出版社のWebサイトの紹介文の通り、6人の児童文学作家の作品と、イラストを描いた画家の漫画も一編おさめられている。

小林深雪、菅野雪虫の他は初めての作家。長谷川まりるもこの時が初めてだった。
それぞれ違う切り口でおもしろかった。

小林深雪『女子校か、共学か。それが問題だ!』うん、さすが手堅い。

にかいどう青「チョコレートの香りがするね」この作品が1番印象に残った。

長谷川まりる「チキンとプラム」うわっ、この父親ダメだ、気持ち悪い。悪気なければ、親子だからって言い訳になるか!

如月かずさ「いわないふたり」無理にカミングアウトすることはない。

水野瑠見「羽つきスキップ」男子にもきちんと正確に生理のことを教えるべきだ。

菅野雪虫「いつかアニワの灯台に」アニワ灯台という灯台のこと初めて知った。そこに行きたいという気持ちを考えると胸が苦しい。


「チョコレートの香りがするね」
この作品の中で、からかわれる主人公を庇う友人の「ああいうときは怒らないとダメ。笑ってすませていいことじゃない」という言葉に主人公は、それは正しいと認めながらも「(あなたは)強いね。でも自分と同じだけの強さをひとに求めてしまうところが弱さでもある」とこたえる。主人公は目立ちたくないのだ、それくらいなら悪口やからかいくらい我慢する方がマシだと思っている。そう言われた友人は、配慮の足りなさを認めながらも引き下がらない。これからも関わっていくと宣言する。

すごいよ、この子。わたしがそう言われれば、それがその子の望みならと言い訳しながら、一歩下がって見守るくらいにとどめておくだろう。その子の人生丸ごと引き受ける度量は自分にはないから、ここで逃げてしまう。でもこの子は、それでも主人公に関わろうとする。のばした手を引っ込めることはしない。それには相当の覚悟がいる。そのためにたくさん勉強もしてもっと色々知ろうとする。ああ、こういう友人がいれば大丈夫だ。がんばれ!この社会は生きにくいが、負けずに戦って前に進んで行ってほしい。
『密話』

『密話』

『密話』石川宏千花・著 講談社 2012年

下水道で生まれ育ち、人に憧れる人ではない生き物。自分を怖がらずメアリーと名付けてくれた小学6年生マミヤくんが唯一の友だち。美しいマミヤくんがメアリーに願うことは、自分の気に入らない人物を排除すること。それが彼の為だと信じてメアリーはその望みを叶え続ける。

怖い、正直言って気味悪くてどんよりして読むのが嫌になるほどだった。このままどんどんエスカレートしていったらどうなるかと思っていたら、途中から健全なカセくんが出てきて少しほっとした。
メアリーがなぜ生まれたのか、どういう生き物なのか、詳しいことは描かれない。ただひたすら人になりたい、可愛い女の子になりたい、家族がほしいと、いじらしいほど願っている1人ぼっちの生き物だった。自分が人から怖がられるバケモノの姿だからこそ、美しいマミヤくんが友だちでいてくれることが、嬉しくてたまらなかったのだろう。そんなメアリーを利用したマミヤくんこそがバケモノだった。メアリーは彼の抱える闇を大きくしてしまったことに責任すら感じているというのに。

孤独な魂が友人を得た喜び、それが後悔に変わり、解決のために思い切った行動をとる。どうなるのか最後まで目が離せなかった。はたしてどうなったのか、カセくんやスナミさんの存在が少しの希望を持たせてくれた。

SNSで話題が出ていたので読んでみた。初めての作家さん。
本書は雑誌「日本児童文学」に「わたしと友だちになってはいけない」というタイトルで連載されたものに加筆修正されて出版された。掲載誌からいえば児童書のはずなのに、一般書として書籍化されたのは、内容がダーク過ぎたからかな?
タイトルは元の方が良かったのではないかと思う。
夏の花苗

夏の花苗

団地内の花壇が夏仕様になった。先週にパンジーなど冬の花を撤去して、今週夏の花苗を植えた。
自治会の花壇担当メンバーがいつも作業しているのを、例年感謝しながらも見てるだけだったけど、昨年は役員だったので自分も参加した。今年はもう役員ではないけれど、出来る範囲でお手伝いしようと思って参加した。
ブルーサルビア、メランポジューム、ジニア、アゲラタム、トレニアと種類も量も例年より多い。花苗購入担当者が花壇の数を間違えたらしい。おかげで花壇が華やかでよい。(写真は我が家の玄関先の花壇)


うちの花壇もそろそろ夏用に植え替る時期なんだけど、パンジーがまだ咲いてて、雑草がいつの間にかぎっしり生えてきている。まずこれらを整理しなければならないが、枯れたパンジーと雑草をざっと抜くだけで力尽きた。今日の庭仕事はここまで。